普通地域とは?自然公園法での意味を図でわかりやすく解説
国立公園・国定公園の区域のうち、特別地域及び海域公園地区に含まれない区域です。つまり、公園の中でも暮らしや営業を続けやすいように、許可ではなく届出で風景を守る場所です。
普通地域とは
国立公園の入口近くには、集落、田畑、旅館街が普通に広がっています。ここまで許可制にすると、住民が家を建て替えるたびに国の許可を待つことになり、暮らしが成り立ちません。そこで公園の区域のうち特別地域と海域公園地区に入らない部分を普通地域とし、大きな工作物や造成のような風景に響く行為だけを、あらかじめ届け出させる仕組みにしています(33条1項)。届出を受けた環境大臣(国立公園)や都道府県知事(国定公園)は、風景を守るために必要なときだけ、行為の禁止や制限を命じます。許可か届出か、という一段の差が、特別地域と普通地域の違いです。

普通地域は届出。届け出て30日待ってから着手する。
届出が要るのは、基準を超える工作物や土地の形状変更です
33条1項は、普通地域内で、規模が環境省令で定める基準を超える工作物の新築・改築・増築、広告物の掲出、水面の埋立て・干拓、鉱物の掘採・土石の採取、土地の形状の変更などをしようとする者は、行為の種類・場所・施行方法・着手予定日などを届け出なければならないと定めています。工作物の基準は施行規則14条にあり、建築物は高さ13メートル又は延べ面積1,000平方メートルを超えるものです。一般の住宅はこの基準に届かないので、届出なしに建てられます。特別地域と違って、木竹の伐採や色彩の変更は対象に入っていません。
届出から30日は着手できず、その間に命令が出ることがあります
33条5項は、届出をした者はその届出をした日から起算して30日を経過した後でなければ、届出に係る行為に着手してはならないと定めています。この30日は、届出を受けた環境大臣や知事が中身を見る時間で、風景を保護するために必要があるときは、その間に行為の禁止・制限や必要な措置を命ずることができます(33条2項)。届出をした者に対する命令は、届出があった日から起算して30日以内に限られ(33条3項)、実地調査が要るなどの合理的な理由があるときだけ、通知したうえで延長できます(33条4項)。風景の保護に支障がないと認めるときは、待つ期間を短縮することもできます(33条6項)。

届出から30日は着手できない。その30日のうちに大臣は命令を出せる。
利用調整地区は置けず、届出が要らない行為もあります
利用調整地区は特別地域又は海域公園地区の中に指定するもので(23条1項)、普通地域には置けません。33条7項は、公園事業の執行として行う行為、通常の管理行為・軽易な行為、公園の指定や区域の拡張のときに既に着手していた行為、非常災害のための応急措置には、届出の規定を適用しないと定めています。特別地域では応急措置をした後に14日以内の届出が要りますが、普通地域では最初から届出の対象外です。届出をせずに行為をしたり、30日を待たずに着手したりすると、30万円以下の罰金です(86条)。
国立公園又は国定公園の区域のうち特別地域及び海域公園地区に含まれない区域(以下「普通地域」という。)内において、次に掲げる行為をしようとする者は、国立公園にあつては環境大臣に対し、国定公園にあつては都道府県知事に対し、環境省令で定めるところにより、行為の種類、場所、施行方法及び着手予定日その他環境省令で定める事項を届け出なければならない。
出典: 自然公園法 33条1項
実務ではこう使う
普通地域内の宅地は、通常の住宅なら届出が要らない規模ですが、旅館やアパートのような大きな建物は届出と30日の待機が要るので、開発計画のある土地では工程に影響します。役所で普通地域かどうかを確認し、評価書の行政的条件に自然公園法の普通地域である旨と届出制を書きます。
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