特別地域とは?自然公園法での意味を図でわかりやすく解説
国立公園・国定公園の風致を維持するため、公園計画に基づいてその区域(海域を除く)内に指定される地域です。つまり、景色を守るために、建てる・切る・掘る・塗り替えるといった行為に許可が要る場所です。
特別地域とは
国立公園と書かれた看板を過ぎても、道沿いには集落や畑が続きます。さらに奥へ進むと、家の屋根の色まで揃っていて、勝手に木を切った跡が一つもない区域に入ります。そこが特別地域です。公園の陸の部分は、外側の普通地域と内側の特別地域に分かれ、特別地域の中にさらに厳しい特別保護地区が置かれます(20条・21条・33条)。特別地域では、家を建て替えることも屋根を塗り替えることも、国立公園なら環境大臣、国定公園なら都道府県知事の許可が要ります。

外側は届出の普通地域、内側は許可の特別地域、中心に特別保護地区。
指定は公園計画に基づき、風致を維持するために行います
20条1項は、環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、公園の風致を維持するため、公園計画に基づいて、その区域(海域を除く)内に特別地域を指定できると定めています。風致とは、自然の景色とそこに溶け込んだ人の営みを合わせた、その土地らしい趣のことです。海の部分は特別地域にはならず、海の景観を守るときは海域公園地区を別に指定します(22条)。特別地域の中で景観の維持に特に必要な場所は特別保護地区(21条)、利用を調整する場所は利用調整地区(23条)として、さらに絞り込みます。
風致に影響する行為は、環境大臣か知事の許可が要ります
20条3項は、特別地域内で許可を受けなければしてはならない行為を列挙しています。工作物の新築・改築・増築、木竹の伐採、鉱物の掘採や土石の採取、河川や湖沼の水位・水量の増減、広告物の掲出、水面の埋立て、土地の形状の変更、屋根や壁面などの色彩の変更、指定された植物の採取や動物の捕獲などです。共通するのは、その土地の見え方や自然の姿を変えてしまう行為だという点で、屋根の色を塗り替えるだけの行為も入っています。許可するのは国立公園なら環境大臣、国定公園なら都道府県知事で、環境省令の基準に合わない行為は許可できず(20条4項)、許可には風致を守るために必要な限度で条件を付けられます(32条)。

塗り替える・切る・掘る・看板を立てる。どれも景色を変えるから許可。
植栽と放牧は届出で足り、応急措置なら許可は要りません
同じ特別地域の行為でも、手続の重さに段階があります。木竹の植栽と家畜の放牧は、あらかじめ届け出れば足ります(20条8項)。条文に理由は書いていませんが、木を植える・牛を放つといった行為は伐採や造成ほど景色を変えないため、許可より軽い届出にとどめたと考えられます。非常災害のために必要な応急措置として行う行為は許可の対象から外れ、行為の日から起算して14日以内に届け出ます(20条3項ただし書・7項)。公園事業の執行として行う行為や、通常の管理行為・軽易な行為として環境省令で定めるものにも、許可の規定は適用されません(20条9項)。

植栽と放牧は届出、伐採は許可、災害の応急措置は許可不要で14日以内に届出。
環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の風致を維持するため、公園計画に基づいて、その区域(海域を除く。)内に、特別地域を指定することができる。
出典: 自然公園法 20条1項
実務ではこう使う
特別地域内の宅地や別荘地の評価では、建替えや外壁の色まで許可の対象になるので、最有効使用の判定に行政的条件として織り込みます。環境省の自然保護官事務所や都道府県の担当課で、対象地が特別地域のどの種別かまで確認し、許可基準の建ぺい率や高さを評価書に書きます。既存の建物が許可を受けて建ったものかどうかも確認します。
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