高層住居誘導地区とは?都市計画法での意味を図でわかりやすく解説
住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、建築物の容積率の最高限度、建蔽率の最高限度及び敷地面積の最低限度を定める地区です。つまり、都心の容積率の高い区域に、住宅を多く含む高層の建物を建てやすくする地区です。
高層住居誘導地区とは
都心のオフィス街は、昼は人であふれていても、夜になると窓の明かりが消えて誰もいなくなります。職場の近くに住む人を増やそうとして作られたのが高層住居誘導地区です。住居と住居以外の用途を適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するために定める地区で、住宅の床が多い建物には建築基準法の側で容積率の割増しが認められます。用途地域の上に重ねる地域地区の一つで、都市計画として定めるのは市町村です。

都心に、住宅を多く含む高層の建物を呼び込む。
定められるのは5つの用途地域で、容積率の高い区域に限ります
定められるのは、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域の5つです。住居と住居以外が混ざり合う地域を対象にしているので、商業の中心である商業地域や、住宅を守るための中高層住居専用地域は入っていません。しかも、この5つの用途地域の都市計画で容積率が10分の40または10分の50と定められた区域の内に限られます。もともと容積率が高い都心の区域だからこそ割増しに意味があり、容積率の低い住宅地に高層住宅を持ち込む制度ではないからです。

5つの用途地域のうち、容積率が10分の40か10分の50と定められた区域だけ。
定めるのは容積率と建蔽率の最高限度、敷地面積の最低限度です
都市計画に定める事項は、建築物の容積率の最高限度、建築物の建蔽率の最高限度、建築物の敷地面積の最低限度の3つです。容積率の最高限度は、住宅の床の割合に応じて割り増した容積率の上限を決めるもので、この地区の中心になる事項です。建蔽率の最高限度と敷地面積の最低限度は、高い建物が密集して環境が悪くならないように、市街地の環境を確保するために必要な場合に限って定めます。建築物の高さの最高限度や最低限度を定めるのは高度地区の役目で、この地区の事項ではありません。

定めるのは容積率と建蔽率の最高限度と敷地面積の最低限度で、高さの限度は高度地区の事項。
準都市計画区域には定められません
準都市計画区域に定められる地域地区は、用途地域、特別用途地区、特定用途制限地域、高度地区(高さの最高限度だけ)などに限られていて、高層住居誘導地区は入っていません。準都市計画区域は無秩序な開発を抑えるための区域なので、高層住宅を呼び込む地区とは目的が合わないからです。
高層住居誘導地区は、住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域又は準工業地域でこれらの地域に関する都市計画において建築基準法第五十二条第一項第二号に規定する建築物の容積率が十分の四十又は十分の五十と定められたものの内において、建築物の容積率の最高限度、建築物の建蔽率の最高限度及び建築物の敷地面積の最低限度を定める地区とする。
出典: 都市計画法 9条17項
実務ではこう使う
指定区域では、住宅を主体にした高層建築の容積率が用途地域の数値より割り増されるので、更地の最有効使用が住宅系の高層建築になります。鑑定評価では、対象地が高層住居誘導地区に入るかどうかを都市計画図で確かめ、割増後の容積率を前提に開発法や取引事例比較法を適用します。区分所有マンションの敷地の評価では、この地区の指定が価格の前提になっている場合があります。
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