協働・代替・競争とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
不動産が、同じ地域内の他の構成分子である不動産との間にたつ関係です。つまり、隣どうしで一緒に値打ちを高め合い、買い手や借り手にとって代わりになり、同じ客や買い手を取り合うということです。
協働・代替・競争とは
商店街を歩くと、パン屋の隣にカフェがあって客が行き来し、通り全体がにぎわっています。空いた店舗を借りたい人は、似た広さの二つの貸店舗を見比べて、どちらかを選びます。向かい合った二軒のラーメン屋は、同じ客を取り合って値段や味を競います。基準はこの三つを、地域内の他の構成分子である不動産との間の協働、代替、競争等の関係と呼びます。家と隣の家、店と隣の店の間の関係です。

商店街の隣どうしに起きる、協働・代替・競争の三つの関係。
相手は地域内の他の不動産で、地域そのものではありません
基準は、関係の相手を二つに分けて名前を付けています。地域との間は依存、補完等の関係で、家は町の駅や学校に頼り、町は家々によって満たされます。地域内の他の構成分子である不動産との間が協働、代替、競争等の関係です。競い合ったり代わりになったりするのは同じ立場にあるものどうしなので、家が町と競争することはなく、協働も代替も競争も隣との間でしか起きません。
個別性があっても、代替の関係は成り立ちます
土地には個別性(非同質性、非代替性)という自然的特性があり、まったく同じ土地は二つとありません。それでも借り手は、似た広さで似た場所の二つの店舗を見比べて、どちらかを借ります。同じものが無いことと、代わりになるものがあることは両立するので、基準は同じ節で、地域内の不動産との間に代替の関係を定めています。似た条件の土地の間に代替の関係があるからこそ、似た不動産の取引を手がかりにする鑑定評価が成り立ちます。
代替と競争は、第4章の価格の原則につながります
第1章では隣どうしの関係として書かれた代替と競争が、総論第4章では価格に関する諸原則の姿で現れます。代替の原則は、代替性を有する二以上の財の価格は相互に影響を及ぼして定まる、というものです。競争の原則は、超過利潤が競争を惹起し、競争は超過利潤を減少させ、終局的には消滅させる、というものです。似た店舗の家賃が互いに引っ張られ、繁盛店の隣に同業が開店して利益が薄まっていくのは、第1章の関係が価格の上に表れたものです。

似た店舗の家賃は引っ張り合い、繁盛店の隣には同業が開く。
不動産は、また、その自然的条件及び人文的条件の全部又は一部を共通にすることによって、他の不動産とともにある地域を構成し、その地域の構成分子としてその地域との間に、依存、補完等の関係に及びその地域内の他の構成分子である不動産との間に協働、代替、競争等の関係にたち、これらの関係を通じてその社会的及び経済的な有用性を発揮するものである(不動産の地域性)。
出典: 総論第1章 第2節
実務ではこう使う
取引事例比較法で事例を選べるのは、地域内の不動産どうしに代替の関係があるからです。商業地の評価では、同じ通りの店が客を呼び合う協働と、同業の店どうしの競争の両方を見て、対象不動産の集客力を判断します。隣に大型店ができたとき、それが協働の相手か競争の相手かで、価格への効き方が逆になります。
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