立体利用率とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
区分地上権設定地の最有効使用を前提とした経済価値に対する、区分地上権の設定部分の経済価値と、その設定部分の効用を保持するため他の空間部分の利用を制限することに相応する経済価値との合計の割合です。つまり、その土地の値打ち全体のうち、地下や上空の使う層の分と、そのために使えなくなった層の分を合わせて何割かを...
立体利用率とは
土地の上には、地下に駐車場や店、地上に何階もの建物を建てられます。土地の値打ちは、こうした上下の各層が生む効用の積み重ねです。地下鉄のトンネルのために地下の一層を区分地上権として使うと、その層の分の値打ちが権利の側に移り、さらにトンネルを守るために地上に深い基礎の建物を建てられなくなれば、その制限の分も権利の値打ちに入ります。この二つを合わせて、土地全体の値打ちの何割に当たるかを表したものが立体利用率です。

使う層の分と、そのために建てられなくなった層の分を足した割合。
設定部分の分と、他の空間の利用制限の分を合計した割合です
区分地上権の価格は、区分地上権設定地全体の経済価値のうち、平面的・立体的空間の分割による当該権利の設定部分の経済価値と、設定部分の効用を保持するため他の空間部分の利用を制限することに相応する経済価値を貨幣額で表示したものです。立体利用率は、この二つの合計が、設定地の最有効使用を前提とした経済価値に占める割合です。留意事項は、設定地の経済価値は最有効使用に係る階層等に基づいて生ずる上下空間の効用の集積であり、区分地上権の経済価値は設定地全体の効用との関数関係に着目して全体に占める割合として把握される、と説明しています。各層の効用を積み上げた全体の中で、権利の及ぶ層と制限を受ける層の分を取り出す考え方です。
更地としての価格に乗じ、契約内容等で修正して価格を求めます
立体利用率により求める価格は、区分地上権設定地の更地としての価格に、最有効使用を想定して求めた設定地全体の立体利用率を基準として求めた当該区分地上権に係る立体利用率を乗じ、さらに当該区分地上権の契約内容等による修正を行って求めます。順序としては、最有効使用の建物の階層構成から全体の立体利用率を組み立て、そのうち設定範囲と制限範囲に当たる分を取り出し、更地価格に掛けます。区分地上権は工作物の構造、用途、使用目的、権利の設定期間等によって経済価値が特定されるので、最後に契約内容等による修正が要ります。
立体利用率による価格は、標準となる三つの価格の一つです
区分地上権の鑑定評価額は、設定事例等に基づく比準価格、土地残余法に準じて求めた収益価格及び区分地上権の立体利用率により求めた価格を関連づけて得た価格を標準とし、区分地上権の設定事例等に基づく区分地上権割合により求めた価格を比較考量して決定します。立体利用率による価格は、比準価格や収益価格と並んで標準を作る側です。同じ「割合を更地価格に掛ける」手法でも、市場の設定事例から割合を読む区分地上権割合による価格は比較考量する側に置かれています。基準に理由は書いていませんが、立体利用率は対象地そのものの最有効使用から組み立てる割合で、区分地上権割合は他の事例の割合を借りてくるものなので、対象地に即した前者を標準に据えていると考えられます。

立体利用率による価格は、比準価格・収益価格と並ぶ標準の側。
区分地上権の立体利用率により求める価格は、区分地上権設定地の更地としての価格に、最有効使用を想定して求めた当該区分地上権設定地全体の立体利用率を基準として求めた当該区分地上権に係る立体利用率(当該区分地上権設定地の最有効使用を前提とした経済価値に対する区分地上権の設定部分の経済価値及び当該設定部分の効用を保持するため他の空間部分の利用を制限することに相応する経済価値の合計の割合をいう。)を乗じて得た額について、さらに当該区分地上権の契約内容等による修正を行って求めるものとする。
出典: 各論第1章 第1節
実務ではこう使う
地下鉄、共同溝、送電線、道路の立体交差などの事業者から、区分地上権の設定対価や補償額の評価を依頼される場面で使います。現地では敷地の最有効使用となる建物の階層構成を想定し、階層別の効用の比率表から、地下何メートルから何メートルまでの範囲と、その保全のための建築制限(高さや荷重の制限)に相応する分を合わせて立体利用率を査定します。評価書には全体の立体利用率と、当該区分地上権に係る立体利用率の内訳を示します。
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