社会的要因とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
一般的要因のうち、人口の状態、家族構成及び世帯分離の状態、都市形成及び公共施設の整備の状態、生活様式等の状態など、人が集まって暮らす形の側から不動産のあり方と価格の水準に効く要因です。つまり、社会の中でひとりでに進む暮らしの変化が値段を動かす力です。
社会的要因とは
一人暮らしの若者が増えている街では、小さな住戸の需要が底堅くなります。学校や公園が整い、子育て世帯が集まる街では戸建てが売れます。在宅勤務が定着すれば、駅から遠くても広い家が選ばれるようになります。どれも、人が何人いて、どんな家族の形で、どう暮らしているかという社会の側の変化が、不動産の使われ方と値段の水準を動かしている場面です。基準はこの側から来る力を社会的要因と呼び、主なものを8項目例示しています。

人口、家族の形、公共施設、暮らし方。人が集まって暮らす形が値段を動かす。
8項目は、人が集まって暮らす形という一本の筋でつながります
例示は、人口の状態、家族構成及び世帯分離の状態、都市形成及び公共施設の整備の状態、教育及び社会福祉の状態、不動産の取引及び使用収益の慣行、建築様式等の状態、情報化の進展の状態、生活様式等の状態の8つです。人が何人いるか(人口)、どんな単位で暮らすか(家族構成・世帯分離)、どこに集まりどんな施設を使うか(都市形成・公共施設・教育・福祉)、土地や建物をどう取引しどう使う習わしか(慣行・建築様式)、どんな道具と様式で暮らすか(情報化・生活様式)と読むと、8つが一本の筋になります。並びをばらばらに覚えるのではなく、暮らしの形の側から出てくるものだと押さえると、他の区分との境目が見えてきます。
経済的要因とは、暮らしの側かお金の動きの側かで分かれます
人口の状態は、その社会に何人の人が暮らしているかという暮らしの側の事実なので社会的要因です。それに対して、物価、賃金、雇用及び企業活動の状態や、貯蓄、消費、投資及び国際収支の状態は、お金と仕事の動きの側の事実なので経済的要因です。似た響きの語でも、情報化の進展の状態は人々の暮らし方の変化なので社会的、国際化の状態は人・物・お金が国境を越えて動く経済の変化なので経済的に置かれています。どちらの側から来る力かを見れば、社会的要因の8項目と経済的要因の8項目の境目が決まります。

人口や暮らし方は社会の側、物価や賃金はお金の側。
行政的要因とは、自然に起きるか行政が決めるかで分かれます
宅地及び住宅に関する施策の状態や、不動産の取引に関する規制の状態は、国や自治体が目的を持って決める力なので行政的要因です。人口が減る、世帯が分かれる、在宅勤務が広がる、といった社会的要因は、誰かが決めて起こしたことではなく、社会の中でひとりでに進む変化です。同じ「住まい」に関わる話でも、住宅取得の補助や住宅ローン減税のように行政が制度として動かすものは行政的、その制度の下で人がどう暮らすかは社会的、と出どころで分かれます。

ひとりでに進む暮らしの変化は社会的、行政が決めた制度は行政的。
それは、自然的要因、社会的要因、経済的要因及び行政的要因に大別される。
出典: 総論第3章 第1節
実務ではこう使う
市区町村の人口推移や世帯数、高齢化率、公共施設の整備計画は、市場分析の材料になります。単身世帯が増えている地域ではワンルームの需要が底堅い、という読みが賃料や利回りの判断に効きます。テレワークの定着のような生活様式の変化も、住宅地の需要の質を変える社会的要因として見ておきます。
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