普通地区とは?自然環境保全法での意味を図でわかりやすく解説
自然環境保全地域の区域のうち、特別地区と海域特別地区に含まれない区域です。一定規模を超える工作物の新築や宅地の造成などをするには、あらかじめ環境大臣に届け出て、届出の日から30日を待たなければなりません。
普通地区とは
自然環境保全地域の外側の部分には、集落や田畑、生活道路が入っていることが多く、家の建て替えや畑の造成のたびに許可を取らせると暮らしが回りません。そこで、中心の特別地区は許可制、それ以外の普通地区は届出制と、規制を一段緩めています。届出を受けた環境大臣は、自然環境の保全に必要なときだけ、30日以内に行為の禁止や制限を命じます。逆に言えば、届け出た側は30日待てば着手できるので、許可を待つのとは違い、原則として行為はできる前提の仕組みです。

普通地区は届出制。届け出て30日待てば着手できる。
届出が要るのは、基準を超える工作物と土地の形質を変える行為です
28条1項は、普通地区内で、規模が環境省令で定める基準を超える建築物その他の工作物の新築・改築・増築(1号)、宅地の造成や土地の開墾その他の土地の形質の変更(2号)、鉱物の掘採や土石の採取(3号)、水面の埋立てや干拓(4号)、特別地区内の河川や湖沼の水位や水量の増減(5号)をしようとする者は、あらかじめ環境大臣に届け出なければならないと定めています。工作物の基準は施行規則27条が定め、建築物は高さ10メートル又は床面積の合計200平方メートルです。規模の限定が付いているのは工作物だけで、宅地の造成や鉱物の掘採は規模を問わず届出が要ります。小さな物置まで届け出させると暮らしの負担が大きい一方、土地の形を変える行為は小さくても自然への影響が残るからと考えられます。保安林等の区域で森林法34条2項の行為として行うものや、漁業のために海域で行うものは届出が要りません(28条1項ただし書)。

工作物は基準を超えるものだけ届出。造成は規模を問わず届出。
届出をしてから30日は着手できず、環境大臣はその間に命令できます
28条4項は、届出をした者はその届出をした日から起算して30日を経過した後でなければ行為に着手してはならないと定めています。28条2項は、環境大臣が保全のために必要があると認めるときは、届出のあった日から起算して30日以内に限り、行為を禁止し、制限し、又は必要な措置をとるべき旨を命ずることができると定めています。着手を待たせる30日と、環境大臣が命令できる30日は同じ期間で、役所が中身を確かめる時間を確保するための待機期間です。実地調査が必要なときなどは理由が続く間だけ期間を延長でき、その旨を通知します(28条3項)。逆に保全に支障がないと認めるときは、環境大臣が期間を短縮できます(28条5項)。
応急措置や保全事業、着手済みの行為には届出が要りません
28条6項は、非常災害のために必要な応急措置、保全事業の執行として行う行為、認定生態系維持回復事業等、国や地方公共団体が法令に基づいて行う行為で環境省令で定めるもの、通常の管理行為や軽易な行為で環境省令で定めるもの、地域が指定され又は区域が拡張された際に着手していた行為には、届出と命令の規定を適用しないと定めています。特別地区では着手済みの行為も6月以内に届け出ると許可を受けたものとみなされますが、普通地区では届出そのものが要りません。原生自然環境保全地域の禁止(17条)、特別地区の許可(25条)、普通地区の届出(28条)と、中心から外へ行くほど規制が軽くなる三段の組み立てです。
自然環境保全地域の区域のうち特別地区及び海域特別地区に含まれない区域(以下「普通地区」という。)内において次に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ、環境大臣に対し、環境省令で定めるところにより、行為の種類、場所、施行方法及び着手予定日その他環境省令で定める事項を届け出なければならない。
出典: 自然環境保全法 28条1項
実務ではこう使う
普通地区内の住宅は、高さ10メートル・床面積200平方メートル以下なら届出が要らない規模ですが、宅地の造成は規模を問わず届出と30日の待機が要るので、造成を伴う開発計画では工程に影響します。役所で普通地区に当たるかを確かめ、評価書の行政的条件に自然環境保全法の普通地区である旨と届出制を書きます。
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