書類の提出義務とは?不動産の鑑定評価に関する法律での意味を図でわかりやすく解説
不動産鑑定業者が、毎年一回一定の時期に、過去一年間における事業実績の概要を記載した書面と、事務所ごとの不動産鑑定士の変動を記載した書面を、国土交通大臣又は都道府県知事に提出する義務です。つまり、業者が年に一度、登録先の役所に前年の仕事ぶりと所属する鑑定士の顔ぶれを報告する決まりです。
書類の提出義務とは
会社が毎年決算を出すように、鑑定業者も年に一度、登録先の役所に「去年はどれだけ仕事をしたか」「今、どの事務所にどの鑑定士がいるか」を書面で出します。鑑定業は登録を受けて営む仕事なので、登録した役所は業者の実態をつかんでおく必要があります。出すのは、前年の評価件数などをまとめた事業実績の概要と、1月1日現在の事務所ごとの鑑定士の名前です。役所は受け取った書面を閲覧所に置き、依頼者が業者の実績を確かめられるようにします。

年に一度、前年の事業実績と所属鑑定士の顔ぶれを登録先に出す。
出すのは毎年一回で、時期は省令が決めています
28条は「毎年一回一定の時期に」出すと定め、その時期は施行規則が決めています。事業実績の概要は、前年の1月1日から12月31日までの分を1月31日までに出します。鑑定士の変動は、毎年1月1日現在の事務所ごとの鑑定士の氏名を、その年の1月31日までに出します。鑑定士が入れ替わるたびに出すのではなく、一年分をまとめて年初に一度出す、という作りです。役所から求められて出すものでもなく、求めがなくても毎年出します。
書面は事業実績の概要と、事務所ごとの鑑定士の変動の二つです
28条1号が過去一年間の事業実績の概要を記載した書面、2号が事務所ごとの不動産鑑定士の変動を記載した書面で、そのほか省令で定める書面があります。実績は業者としての仕事量、変動は各事務所に鑑定士がきちんといるかを見るためのものです。依頼者に交付した鑑定評価書の写しは、業者が保存する義務があるだけで、役所に出す義務はありません。

一枚は去年の仕事量、もう一枚は各事務所の鑑定士の出入り。
提出を受けた大臣と知事は、その書類を公衆の閲覧に供します
31条は、国土交通大臣又は都道府県知事は、業者登録簿と、28条により提出を受けた書類を公衆の閲覧に供さなければならない、と定めています。業者は出す側、役所は見せる側という分担です。役所は施行令に基づいて閲覧所を設け、場所と閲覧規則を告示します。依頼先を選ぶ人は、閲覧所でその業者の実績と所属鑑定士を確かめられます。

業者は出すだけ、見せる場所を用意するのは大臣と知事。
怠れば監督処分と罰金の対象です
提出は法律上の義務なので、怠ればこの法律に違反したことになり、登録をした大臣・知事の監督処分の理由になります(41条1項1号)。さらに、提出を怠り、又は虚偽の記載をして提出した者は30万円以下の罰金です(57条)。
不動産鑑定業者は、国土交通省令で定めるところにより、毎年一回一定の時期に、次の各号に掲げる書類を国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。一 過去一年間における事業実績の概要を記載した書面 二 事務所ごとの不動産鑑定士の変動を記載した書面 三 その他国土交通省令で定める書面
出典: 不動産の鑑定評価に関する法律 28条
実務ではこう使う
毎年1月に、前年分の評価件数などをまとめた事業実績の書面と、1月1日現在の事務所ごとの鑑定士の一覧を、登録をした大臣か知事に出します。年初の決まった事務で、専任の鑑定士の交代は変更の登録で都度申請しつつ、こちらは所属する鑑定士の出入りを一年分まとめて出します。
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