/ 行政法規

不当な鑑定評価等に対する措置の要求とは?不動産の鑑定評価に関する法律での意味を図でわかりやすく解説

不動産鑑定士が不当な鑑定評価等を行ったと疑うに足りる事実があるとき、何人も、国土交通大臣又はその鑑定士が業務に従事する不動産鑑定業者が登録を受けた都道府県知事に対し、資料を添えてその事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる制度です。つまり、誰でも役所に懲戒の端緒を持ち込める窓口です。

不当な鑑定評価等に対する措置の要求とは

隣の土地の評価額が明らかにおかしい、取引の相手方が示した評価書の根拠が怪しい、と感じたとき、裁判を起こす前に役所へ持ち込む道が用意されています。それが42条の措置の要求です。依頼者でなくても、利害関係がなくても、誰でも、資料を添えて「この鑑定士は不当な鑑定評価等をしたようだ」と報告し、役所に措置をとるよう求められます。報告を受けた役所は、内容を調べ、必要なら鑑定士への懲戒や業者への監督処分の手続に入ります。

不当な鑑定評価等に対する措置の要求の図解:誰でも、資料を添えて役所に報告し、措置を求められる。

誰でも、資料を添えて役所に報告し、措置を求められる。

求められるのは何人もで、利害関係は要りません

42条の主語は「何人も」で、依頼者や利害関係人に限りません。求められる条件は、不当な鑑定評価等があったと疑うに足りる事実があることと、資料を添えて報告することです。確かな証拠まではなくても、疑いを裏づける資料があれば足ります。不当な鑑定評価等とは、不当な不動産の鑑定評価と、鑑定評価等業務に関する不正又は著しく不当な行為のことです(40条1項)。

相手は国土交通大臣か、その鑑定士の業者を登録した知事です

報告先は、国土交通大臣又は「当該不動産鑑定士がその業務に従事する不動産鑑定業者が登録を受けた都道府県知事」です。鑑定士の名簿は大臣が備えているので、鑑定士個人を知事が直接監督する仕組みはありません。知事が関わるのは業者の登録を通じてなので、その鑑定士が働く業者の登録先の知事が受け付けます。鑑定士の住所地の知事や、土地鑑定委員会は窓口ではありません。

不当な鑑定評価等に対する措置の要求の図解:窓口は大臣か、その鑑定士が働く業者を登録した知事。

窓口は大臣か、その鑑定士が働く業者を登録した知事。

求めるのは措置で、鑑定士を懲戒できるのは国土交通大臣だけです

42条でできるのは、資料を添えて報告し、適当な措置をとるよう求めることまでで、処分の中身を決めるのは役所です。鑑定士への懲戒処分ができるのは国土交通大臣だけで(40条)、知事は鑑定士を懲戒できません。知事が受けた報告は、その業者に責めに帰すべき理由があれば、業者への監督処分(41条1項2号)につながります。

不当な鑑定評価等に対する措置の要求の図解:報告する人は措置を求めるだけで、何をするかは役所が決める。

報告する人は措置を求めるだけで、何をするかは役所が決める。

不動産鑑定士が不当な鑑定評価等を行つたことを疑うに足りる事実があるときは、何人も、国土交通大臣又は当該不動産鑑定士がその業務に従事する不動産鑑定業者が登録を受けた都道府県知事に対し、資料を添えてその事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。

出典: 不動産の鑑定評価に関する法律 42条

実務ではこう使う

依頼者の希望に沿わない評価額に不満を持った当事者や、隣地の所有者からの報告もあり得ます。報告が来れば役所から事情を聴かれるので、評価書に根拠と判断の過程を書き切っておくことがいちばんの備えです。業者としても、所属する鑑定士が懲戒を受ければ監督処分につながるので、評価書の内部審査を整えておきます。

関連用語

#不動産鑑定士試験 #不当な鑑定評価等に対する措置の要求 #措置の要求 #行政法規

短答式対策

肢別トレーニングで行政法規を攻略

過去問をベースにした一問一答形式のトレーニング。 行政法規の頻出論点を効率的に学べます。

年額プランなら1日わずか27円

トレーニングを始める 無料でアカウント作成
App Storeからダウンロード Google Playで手に入れよう
肢別トレーニング画面
用語集に戻る