/ 行政法規

埋立免許とは?公有水面埋立法での意味を図でわかりやすく解説

海や川などの公有水面を埋め立てて土地にしようとする者が、都道府県知事(指定都市の区域内では市長)から受ける免許です。つまり、国のものである水面を私人が陸地に変えて所有するための入口の手続で、免許の後も権利の譲渡や工事期間の延長には知事の許可が続きます。

埋立免許とは

海や川の水面は国のものです。そこを埋め立てて工場用地や港をつくるには、まず都道府県知事の免許を受けます(2条1項)。願書に埋立区域、埋立地の用途、設計の概要、工事に要する期間を書いて出すと、知事はそれを告示して3週間縦覧し、地元市町村長の意見を聴いたうえで、国土利用上適正かつ合理的か、環境保全と災害防止に配慮されているか、出願人に資力と信用があるか、といった基準で審査します(3条・4条)。免許を受けた後も、埋立権を譲渡するには知事の許可、工事期間を延ばすにも知事の許可が要り、工事が終わったら竣功認可を受けて、その告示の日に埋立地の所有権を取得します。国が埋め立てるときは、免許ではなく知事の承認です(42条)。

埋立免許の図解:水面は国のものだから、陸地に変えるには知事の免許が要る。

水面は国のものだから、陸地に変えるには知事の免許が要る。

埋立ては知事の免許で、国が埋め立てるときは知事の承認です

埋立てをしようとする者は、都道府県知事の免許を受けなければならず、指定都市の区域内では市長が知事に代わって免許をします(2条1項)。知事は出願があると、遅滞なくその要領を告示し、願書の事項を記載した書面と図書を告示の日から3週間公衆の縦覧に供し、期限を定めて地元市町村長の意見を聴きます(3条1項)。免許ができるのは、国土利用上適正かつ合理的であること、環境保全と災害防止に十分配慮されていること、用途が国や地方公共団体の計画に反しないこと、出願人にその埋立てを遂行するに足る資力と信用があることなどの基準に適合すると認めるときだけです(4条1項)。国が自ら埋め立てるときは、当該官庁が知事の承認を受けます(42条1項)。

埋立権の譲渡には、知事の許可が要ります

埋立ての免許を受けた者は、都道府県知事の許可を受けなければ、埋立てをする権利を他人に譲渡することができません(16条1項)。免許は出願人の資力と信用を審査して与えるものなので、権利を引き継ぐ人についても、譲渡の前に知事が同じ目で確かめます。許可を受けて譲り受けた者は、埋立てに関する法令や処分、免許の条件によって譲渡人に生じた権利義務を承継します(16条2項)。

工事は知事の指定する期間内に終え、延長や変更は知事の許可です

免許を受けた者は、埋立てに関する工事の着手と竣功を、都道府県知事の指定する期間内にしなければなりません(13条)。知事は、正当の事由があると認めるときは、埋立区域の縮小、埋立地の用途や設計の概要の変更、13条の期間の伸長を許可することができます(13条ノ2第1項)。用途の変更の許可には、免許のときと同じ告示、縦覧、基準の審査が準用されます(13条ノ2第2項)。免許を受けたまま工事を放っておかれると公有水面の使い道が宙に浮くので、期限も延長も知事が握っています。

埋立免許の図解:免許から所有権まで、節目ごとに知事の許可や認可が入る。

免許から所有権まで、節目ごとに知事の許可や認可が入る。

竣功認可の告示の日に、埋立地の所有権を取得します

工事が竣功したときは、遅滞なく知事に竣功認可を申請します(22条1項)。知事が竣功認可をしたときは遅滞なくその旨を告示し、免許を受けた者はその告示の日に埋立地の所有権を取得します(22条2項・24条1項)。告示の日の前でも埋立地を使うことはできますが、埋立てに関する工事用でない工作物を設置しようとするときは、政令で指定する場合を除いて知事の許可が要ります(23条1項)。所有権を取得した後も、告示の日から10年間は埋立地の所有権の移転や賃借権などの設定に知事の許可が要り(27条1項)、告示した用途と異なる用途に供するにも知事の許可が要ります(29条1項)。

埋立免許の図解:告示前でも埋立地は使える。工事用でない建物を建てるなら許可。

告示前でも埋立地は使える。工事用でない建物を建てるなら許可。

埋立ヲ為サムトスル者ハ都道府県知事(地方自治法第二百五十二条の十九第一項ノ指定都市ノ区域内ニ於テハ当該指定都市ノ長以下同ジ)ノ免許ヲ受クヘシ

出典: 公有水面埋立法 2条1項

実務ではこう使う

臨海部の工業地や港湾の埋立地を評価するときは、竣功認可の告示の日から10年を経過しているかを登記事項証明書と自治体への照会で確かめます。10年以内なら所有権の移転や賃貸借に知事の許可が要り、用途も告示された用途に縛られるので、市場性と最有効使用の判定に直接ひびきます。免許の条件に公共施設の整備や処分方法の定めがあれば、それも制限として書きます。

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