優劣及び競争力の程度とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
対象不動産が、代替、競争等の関係にある不動産と比べてどれだけ買い手に選ばれる力を持つかの程度で、個別分析では典型的な需要者がこれをどう評価しているかを把握します。留意事項は把握の留意点として、需要の中心となっている価格帯及び主たる需要者の属性、需要者の選好、対象不動産に係る引き合いの多寡の三つを挙げています。
優劣及び競争力の程度とは
賃貸マンションを探す人は、同じ駅の似た物件を三つ四つ内見して、一番よいと思う一つを選びます。選ばれる側から見ると、対象の物件は競合と比べて「強いか弱いか」という勝負に置かれています。この、代替、競争等の関係にある不動産と比べた選ばれやすさの程度が、優劣及び競争力の程度です。不動産の価格はその市場の中で他の不動産と比べられて決まるので、個別分析では典型的な需要者がこの優劣をどう評価しているかを把握します。

競合と比べてどれだけ選ばれるかを、需要者の目で見る。
把握の留意点は、価格帯と属性、選好、引き合いの三つです
留意事項は、優劣及び競争力の程度を把握するときの留意点を三つ並べています。一つ目は、同一用途の不動産の需要の中心となっている価格帯及び主たる需要者の属性で、どの値段の帯で、どんな人たちが買っている市場なのかを定めます。二つ目は、対象不動産の立地、規模、機能、周辺環境等に係る需要者の選好で、その買い手たちの好みに対象不動産がどれだけ合うかを見ます。三つ目は、対象不動産に係る引き合いの多寡で、実際にどれだけ問い合わせや申込みが来ているかで裏を取ります。留意事項は三つを並べているだけですが、市場を定め、好みに照らし、実際の反応で確かめる、という順に読めます。

どんな市場か、好みに合うか、実際に来ているか、の三つ。
引き合いの多寡は、対象不動産そのものへの反応で見ます
三つ目の留意点は対象不動産に係る引き合いの多寡であって、同一需給圏の取引の多さではありません。市場全体で取引が多いか少ないかは、地域分析で把握する同一需給圏の市場の需給動向の話です。ここで見たいのは競合と比べた対象不動産の強さなので、対象不動産にどれだけ買い手や借り手が付いているかを見なければ答えになりません。地域分析が市場全体を、個別分析がその中の一つの不動産を見るという分担が、この留意点にも現れていると読めます。

市場全体の取引の多さではなく、対象への引き合いの多さ。
把握した優劣は、価格の判断と報告書まで使います
優劣及び競争力の程度は、最有効使用を判定して終わりではありません。個別的要因の分析結果は、鑑定評価の手法の適用や試算価格・試算賃料の調整等の判断にも反映すべきものです。鑑定評価報告書にも、代替、競争等の関係にある不動産と比べた対象不動産の優劣及び競争力の程度等を記載しなければなりません(総論第9章)。競合との比較で見えた強さや弱さが、査定の数字と報告書の文章の両方に残ります。
対象不動産と代替、競争等の関係にある不動産と比べた優劣及び競争力の程度を把握するに当たっては、次の点に留意することが必要である。
出典: 総論第6章 第2節
実務ではこう使う
賃貸マンションの評価では、同じ駅の競合物件と築年・専有面積・設備・賃料を並べ、対象物件がどの価格帯のどんな入居者を取り合っているかを定めます。次に、その入居者が重く見る駅までの距離や設備に対象物件がどれだけ合うかを見て、内見や申込みがどれだけ入っているかを管理会社に聞いて裏を取ります。その結果を「競争力はやや劣る」「同等」のように評価書に書き、賃料の査定や空室率の想定に反映します。
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