不動産登記法の区分建物の登記を解説
不動産登記法における区分建物の登記制度を解説。区分建物の定義、専有部分と共用部分の登記、敷地権の登記と処分の一体性、表題登記の一括申請、床面積の算定方法、鑑定評価での登記簿活用まで体系的にまとめています。
区分建物とは何か
区分建物とは、一棟の建物の中に構造上区分された数個の部分で、それぞれが独立して住居・店舗・事務所等の用途に供することができるものをいいます。日常的にはマンションの各住戸が区分建物の典型例ですが、オフィスビルの各区画や商業施設のテナント区画なども区分建物に該当し得ます。
区分建物の法的根拠は、区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)と不動産登記法の双方に規定されています。
一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。― 区分所有法 第1条
この規定から明らかなように、区分建物として認められるためには構造上の独立性と利用上の独立性の2つの要件を満たす必要があります。構造上の独立性とは、壁・床・天井等によって他の部分と遮断されていることを意味し、利用上の独立性とは、独立して住居や店舗等として利用できることを意味します。
不動産登記法においても、区分建物は明確に定義されています。
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。(中略)二十二 区分建物 一棟の建物の構造上区分された部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものであって、建物の区分所有等に関する法律第2条第3項に規定する専有部分であるものをいう。― 不動産登記法 第2条第22号
不動産登記法上の区分建物は、区分所有法上の「専有部分」と同義です。つまり、登記制度においては、マンションの各住戸のような専有部分の一つ一つが「区分建物」として独立した不動産として扱われます。
区分建物の登記制度は、一般の建物(非区分建物)の登記とは異なる多くの特殊な規定を有しており、不動産鑑定士試験の行政法規科目においても重要な出題範囲です。不動産登記法の全体像を理解したうえで、区分建物に特有の登記制度を正確に把握することが求められます。
区分建物の登記記録の構造
区分建物の登記記録は、一般の建物とは異なり、一棟の建物全体に関する情報と各専有部分(区分建物)に関する情報の二層構造で構成されています。この二層構造が区分建物の登記の最大の特徴です。
一棟の建物の表題部
区分建物の登記記録には、まず一棟の建物全体に関する表題部が設けられます。ここには、一棟の建物の所在、建物の名称(マンション名等)、構造、床面積などが記録されます。
一棟の建物の表題部に記録される主な事項は以下のとおりです。
| 記録事項 | 内容 |
|---|---|
| 所在 | 一棟の建物が所在する土地の地番 |
| 建物の名称 | マンション名など(任意) |
| 構造 | 鉄筋コンクリート造等 |
| 床面積 | 各階の床面積 |
専有部分の表題部
一棟の建物の表題部に続いて、各専有部分(区分建物)ごとの表題部が設けられます。専有部分の表題部には、家屋番号、建物の名称(部屋番号等)、種類、構造、床面積などが記録されます。
ここで重要なのは、専有部分の床面積は内法(うちのり)面積で記録される点です。一般の建物(非区分建物)の登記では床面積は壁芯面積で記録されますが、区分建物の場合は壁の内側の線で囲まれた面積、すなわち内法面積が用いられます。この点は、後述する床面積の算定方法の項で詳しく解説します。
権利部(甲区・乙区)
専有部分の表題部に続いて、各専有部分ごとに権利部(甲区・乙区)が設けられます。甲区には所有権に関する事項が、乙区には所有権以外の権利に関する事項が記録されます。この部分の構造は一般の建物と基本的に同様です。
ただし、後述する敷地権の登記がなされている場合には、専有部分の権利部に記録された所有権移転や抵当権設定等の登記が、敷地権の目的となる土地にも効力を及ぼすという重要な特則があります。
敷地権の登記
敷地権の登記は、区分建物の登記制度における最も重要な論点の一つです。敷地権とは、区分建物の敷地に関する権利であって、登記によって専有部分と一体化されたものをいいます。
敷地権の定義
不動産登記法では、敷地権について以下のように規定しています。
登記官は、表示に関する登記のうち、区分建物に関する敷地権について表題部に最初に登記をするときは、当該敷地権の目的である土地の登記記録について、職権で、当該登記記録中の所有権、地上権その他の権利が敷地権である旨の登記をしなければならない。― 不動産登記法 第46条
また、区分建物の表題部に記録すべき事項として、敷地権に関する情報が挙げられています。
建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。(中略)九 建物又は附属建物が区分建物である場合であって、当該区分建物について区分所有法第二条第六項に規定する敷地利用権(中略)であって、区分所有法第二十二条第一項本文の規定により区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができないもの(中略)に関する登記 敷地権の目的である土地の所在及び地番並びに当該土地の地目、地積並びに敷地権の種類及び割合― 不動産登記法 第44条第1項第9号
敷地権の種類
敷地権として登記される権利の種類には、以下の3つがあります。
| 敷地権の種類 | 内容 |
|---|---|
| 所有権 | 敷地が区分所有者の共有である場合の共有持分 |
| 地上権 | 敷地に地上権が設定されている場合の準共有持分 |
| 賃借権 | 敷地に賃借権が設定されている場合の準共有持分 |
実務上最も多いのは所有権の敷地権です。これは、マンションの敷地が区分所有者全員の共有とされ、各区分所有者が持分を有する形態です。地上権や賃借権の敷地権は、定期借地権付きマンションなどで見られます。敷地に関する権利の評価方法については、敷地利用権の評価で詳しく解説しています。
処分の一体性
敷地権が登記されている場合、専有部分と敷地権は一体として処分しなければなりません。これは区分所有法第22条の分離処分禁止の原則を登記制度上で実現するものです。
具体的には、敷地権の登記がなされると、以下の効果が生じます。
- 敷地権の目的である土地の登記記録に「敷地権である旨の登記」がなされる: これにより、当該土地について敷地権と抵触する登記(土地のみの売買による所有権移転登記等)をすることができなくなる
- 専有部分についてされた登記が、敷地権にも効力を及ぼす: 例えば、専有部分について所有権移転登記がなされると、敷地権(土地の共有持分)についても所有権移転の効力が生じる
- 土地の登記記録には個別の権利変動が記録されない: 専有部分の登記記録を見れば敷地権の権利関係も把握できるため、土地の登記記録に重複して記録する必要がない
この仕組みにより、マンションの売買において専有部分と敷地権を別々に処分してしまうという事態が防止されるとともに、登記手続も簡素化されています。
敷地権の登記がなされている場合、区分建物の専有部分のみを売却し、敷地権を留保することができる。
敷地権の種類には、所有権、地上権及び賃借権の3種類がある。
専有部分と共用部分の登記
区分建物の登記制度において、専有部分と共用部分の登記上の取扱いの違いを正確に理解することは極めて重要です。
専有部分の登記
専有部分は、それぞれが独立した不動産として登記記録が作成されます。前述のとおり、表題部には家屋番号、種類、構造、床面積等が記録され、権利部には所有権や抵当権等が記録されます。
法定共用部分
法定共用部分とは、建物の構造上当然に共用部分となる部分をいいます。具体的には、エントランスホール、廊下、階段室、エレベーターホールなどの共用の廊下・階段等が該当します。
法定共用部分は、その性質上当然に共用部分であるため、登記をする必要がありません。登記記録が作成されることもなく、区分所有者全員の共有に属します。
規約共用部分
規約共用部分とは、本来は専有部分として登記できる部分(構造上の独立性と利用上の独立性を有する部分)を、管理規約によって共用部分としたものです。管理人室、集会室、倉庫などが規約共用部分とされることがあります。
第一条に規定する建物の部分及び附属の建物は、規約により共用部分とすることができる。この場合には、その旨の登記をしなければ、これをもって第三者に対抗することができない。― 区分所有法 第4条第2項
規約共用部分については、共用部分である旨の登記をしなければ第三者に対抗することができません。この登記は、当該建物の表題部になされます。規約共用部分の登記がなされると、当該部分の権利部は閉鎖されます。
共用部分である旨の登記の手続
共用部分である旨の登記は、当該建物の所有者(区分所有者全員または管理者)が申請します。登記の申請には、規約共用部分とする旨の規約を証する書面を添付する必要があります。
共用部分である旨の登記がなされると、登記記録の表題部に「共用部分」である旨が記録されます。登記簿上、共用部分である旨が記録された建物については、所有権の登記をすることはできません。
| 共用部分の種類 | 定義 | 登記の要否 |
|---|---|---|
| 法定共用部分 | 構造上当然に共用部分となる部分 | 登記不要(登記できない) |
| 規約共用部分 | 規約により共用部分とされた部分 | 共用部分である旨の登記が必要(対抗要件) |
区分建物の表題登記の手続
区分建物の表題登記は、一般の建物の表題登記とは異なるいくつかの特殊な手続が定められています。
原始取得者による一括申請の原則
区分建物の表題登記については、不動産登記法第48条に特別な規定が設けられています。
区分建物が属する一棟の建物が新築された場合又は表題登記がない建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該新築された一棟の建物又は当該区分建物が属することとなった一棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。― 不動産登記法 第48条第1項
この規定は、区分建物の表題登記は一棟の建物に属する全ての区分建物について一括して申請しなければならないことを定めています。例えば、100戸のマンションが新築された場合、100戸分の区分建物の表題登記を一括して申請する必要があり、1戸だけ先に表題登記をすることはできません。
この一括申請の原則は、一棟の建物の表題部と各専有部分の表題部が整合的に作成されることを確保するためのものです。
表題登記の申請権者
一般の建物の場合、表題登記を申請すべき者は「所有権を取得した者」ですが、区分建物の場合は原始取得者(最初に所有権を取得した者)が申請します。
区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる。― 不動産登記法 第48条第2項
マンションの場合、原始取得者は通常はデベロッパー(分譲会社)です。デベロッパーが一括して表題登記を申請し、その後、各住戸の購入者に所有権が移転されるのが一般的な流れです。
申請期間
表題登記の申請期間は、一般の建物と同様に、所有権を取得した日から1か月以内です。区分建物の場合は、一棟の建物が完成した時点で全ての区分建物の原始取得者が所有権を取得したと解されるため、建物完成の日から1か月以内に一括して表題登記を申請しなければなりません。
100戸のマンションが新築された場合、各住戸の購入者がそれぞれ個別に区分建物の表題登記を申請しなければならない。
床面積の算定方法
区分建物の登記において、床面積の算定方法は試験での出題頻度が高い重要論点です。
壁芯面積と内法面積
建物の床面積の算定方法には、壁芯(かべしん)面積と内法(うちのり)面積の2つの方法があります。
| 算定方法 | 計測の基準 | 用いられる場面 |
|---|---|---|
| 壁芯面積 | 壁の中心線で囲まれた面積 | 一般の建物の登記、建築基準法上の床面積 |
| 内法面積 | 壁の内側の線で囲まれた面積 | 区分建物の登記 |
不動産登記規則第115条では、建物の床面積の算定方法について以下のように規定しています。
建物の床面積は、各階ごとに壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積により算出するものとする。ただし、区分建物にあっては、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積により算出するものとする。― 不動産登記規則 第115条
すなわち、一般の建物は壁芯面積で、区分建物は内法面積で床面積が算定されます。
壁芯面積と内法面積の差異
壁芯面積と内法面積の差は、壁の厚さに相当する部分です。一般的なマンションでは、壁芯面積に対して内法面積は5%から10%程度小さくなります。
例えば、不動産広告などで「専有面積70平方メートル」と表示されている場合、これは壁芯面積であることが通常です。一方、登記簿上の床面積は内法面積で記録されるため、同じ住戸でも登記簿上の床面積は65平方メートル前後となることがあります。
この差異は、鑑定評価において対象不動産の面積を確認する際に特に注意が必要な点です。不動産登記法の表示登記と権利登記でも、登記簿上の面積と実際の面積の関係について解説しています。
区分建物の床面積が内法面積である理由
区分建物の床面積に内法面積が採用されている理由は、区分建物の場合、壁は隣接する住戸や共用部分との境界となっており、壁の中心から外側の部分は当該区分建物の所有者が排他的に使用できる部分ではないためです。内法面積は、当該専有部分の所有者が実際に利用可能な空間の面積をより正確に表すものといえます。
区分建物の登記と鑑定評価
区分建物の登記制度を正確に理解することは、不動産鑑定評価の実務においても不可欠です。ここでは、鑑定評価において区分建物の登記情報をどのように活用するかを解説します。
登記簿による専有面積の確認
鑑定評価において区分建物(マンション等)を対象とする場合、登記簿上の床面積が内法面積であることに留意する必要があります。
実務上は、以下の面積の違いに注意が必要です。
| 面積の種類 | 算定基準 | 主な使用場面 |
|---|---|---|
| 登記簿面積 | 内法面積 | 登記記録、固定資産税課税 |
| 建築確認面積 | 壁芯面積 | 建築確認申請、容積率計算 |
| パンフレット表示面積 | 壁芯面積 | 不動産広告、販売資料 |
鑑定評価書において面積を記載する際には、どの面積を用いているかを明確にする必要があります。取引事例比較法で単価(1平方メートル当たりの価格)を算出する際にも、比較対象の面積が同一の基準で算定されていることを確認しなければなりません。鑑定評価書の読み方でも面積に関する注意点を解説しています。
敷地権割合の確認
区分建物の鑑定評価において、敷地権の割合は極めて重要な情報です。敷地権の割合は、区分建物の登記記録の表題部に記録されています。
敷地権割合は、当該専有部分の所有者が敷地に対してどれだけの権利を有しているかを示すものであり、以下のような場面で用いられます。
- 積算価格の算定: 敷地の更地価格に敷地権割合を乗じて、当該専有部分に帰属する敷地価格を求める
- 土地と建物の価格内訳: 敷地価格と建物価格の内訳を把握する際に敷地権割合が必要となる
- 固定資産税等の負担: 敷地の固定資産税は敷地権割合に応じて各区分所有者が負担する
敷地権割合の決定方法は、一般的には専有部分の床面積の割合に基づきますが、管理規約で別段の定めがなされている場合もあるため、登記記録と管理規約の双方を確認する必要があります。区分所有建物の価格形成要因の詳細については、区分所有建物及びその敷地の鑑定評価を参照してください。
未登記の共用部分の扱い
鑑定評価においては、未登記の共用部分にも注意が必要です。法定共用部分は登記されないため、登記記録には現れません。しかし、一棟の建物全体の経済価値を把握する際には、共用部分も含めた建物全体を考慮する必要があります。
また、規約共用部分については、共用部分である旨の登記がなされているかどうかを確認する必要があります。登記がなされていない場合、第三者に対して共用部分であることを対抗できないという法的リスクが存在します。
敷地権の登記がない場合の注意
古いマンションの中には、敷地権の登記がなされていないものがあります。昭和58年の区分所有法改正以前に建築されたマンションでは、専有部分と敷地の権利が別々に登記されていることがあります。
敷地権の登記がない場合には、以下の点に注意が必要です。
- 専有部分と敷地権の分離処分のリスク: 敷地権の登記がなければ、専有部分と敷地の権利が別々に処分されてしまう可能性がある
- 土地の登記記録の確認: 敷地権の登記がない場合、敷地の権利関係は土地の登記記録を個別に確認する必要がある
- 共有持分の確認: 敷地の共有持分が適正に設定されているか、全区分所有者の持分の合計が敷地全体に対応しているかを確認する
タワーマンションなど大規模な区分建物の評価における特有の論点については、タワーマンションの特性も参考になります。
区分建物の登記簿上の床面積は壁芯面積で記録される。
試験での出題ポイント
不動産鑑定士試験(短答式)において、区分建物の登記に関して出題されやすい論点を整理します。
頻出論点一覧
| 論点 | ポイント |
|---|---|
| 区分建物の定義 | 構造上の独立性+利用上の独立性 |
| 表題登記の一括申請 | 一棟に属する全区分建物について一括して申請 |
| 申請権者 | 原始取得者(デベロッパー等) |
| 床面積の算定 | 区分建物は内法面積、一般建物は壁芯面積 |
| 敷地権の種類 | 所有権・地上権・賃借権 |
| 処分の一体性 | 専有部分と敷地権は分離処分不可 |
| 規約共用部分 | 共用部分である旨の登記が対抗要件 |
| 法定共用部分 | 登記は不要(登記できない) |
間違えやすいポイント
- 床面積の算定方法の混同: 区分建物は内法面積、一般の建物は壁芯面積であることを正確に区別する。建築基準法上の床面積(壁芯面積)との違いにも注意
- 共用部分の登記の要否: 法定共用部分は登記不要、規約共用部分は対抗要件として登記が必要
- 敷地権の登記の効果: 敷地権の登記がなされると、敷地の土地の登記記録に「敷地権である旨の登記」がなされ、土地のみの処分ができなくなる
- 表題登記の申請権者: 区分建物の表題登記の申請権者は原始取得者であり、転得者(購入者)ではない
暗記のポイント
- 区分建物の要件: 構造上の独立性 + 利用上の独立性(区分所有法第1条)
- 一括申請の原則: 一棟に属する全区分建物を一括申請(不動産登記法第48条第1項)
- 床面積: 区分建物は内法面積、一般建物は壁芯面積(不動産登記規則第115条)
- 敷地権の登記事項: 敷地権の目的たる土地の所在・地番、地目・地積、敷地権の種類及び割合(法第44条第1項第9号)
- 規約共用部分の対抗要件: 共用部分である旨の登記が必要(区分所有法第4条第2項)
- 敷地権の種類: 所有権・地上権・賃借権の3種類
- 処分の一体性: 敷地権付き区分建物は専有部分と敷地権の分離処分禁止
区分建物の表題登記は、一棟の建物に属する区分建物のうち任意の一部についてのみ申請することができる。
まとめ
区分建物の登記制度は、一般の建物の登記とは異なる多くの特殊な規定を有しています。最も大きな特徴は、一棟の建物全体と各専有部分の二層構造の登記記録が作成される点と、専有部分と敷地権の処分の一体性が登記制度上も担保されている点です。
表題登記については、一棟に属する全区分建物の一括申請の原則と、申請権者が原始取得者であるという特則を正確に覚える必要があります。床面積の算定方法が区分建物では内法面積であるのに対し、一般の建物では壁芯面積であるという違いも頻出の論点です。
敷地権の登記については、敷地権の3つの種類(所有権・地上権・賃借権)、敷地権の登記がなされた場合の処分の一体性の効果、そして敷地の土地の登記記録になされる敷地権である旨の登記の意義を体系的に理解しておくことが重要です。
共用部分の登記については、法定共用部分は登記が不要である一方、規約共用部分は共用部分である旨の登記が対抗要件であるという違いを正確に区別する必要があります。
鑑定評価の実務との関連では、登記簿上の面積が内法面積であること、敷地権割合の確認方法、未登記の共用部分への配慮など、登記情報の適切な読み取りが求められます。区分建物の登記制度を正確に理解することで、行政法規科目の得点力向上はもちろん、区分所有マンションの評価や区分地上権の鑑定といった実務的な評価能力の基盤を築くことができます。