/ 行政法規

所管行政庁とは?高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律での意味を図でわかりやすく解説

バリアフリー法の建築物に関する規定を運用する行政庁で、建築基準法により建築主事又は建築副主事を置く市町村・特別区の区域ではその長、その他の区域では都道府県知事です。つまり、建築確認の窓口を持つ役所のトップがそのままこの法律の担当になり、是正命令や指導助言、認定を行います。

所管行政庁とは

建築確認を市役所で受ける街と、県の土木事務所で受ける街があります。市に建築主事がいれば市役所、いなければ県が建築の窓口だからです。バリアフリー法は、この建築の窓口と同じ役所を「所管行政庁」と呼び、この法律の建物に関する仕事を任せています。建築確認と一緒に見られる方が、建てる側も役所側も手間が少ないからです。相手が特別特定建築物の義務違反なら是正命令、特定建築物の努力義務なら指導と助言、認定を受けた建物なら改善命令と取消し、と相手ごとに使える手段が決まっています。

所管行政庁の図解:建築主事のいる市は市長、いない町は知事。建築の窓口と同じ役所が担当する。

建築主事のいる市は市長、いない町は知事。建築の窓口と同じ役所が担当する。

建築主事を置く市町村の長か、都道府県知事です

2条22号は、建築基準法の規定により建築主事又は建築副主事を置く市町村又は特別区の区域についてはその長、その他の市町村又は特別区の区域については都道府県知事、と定めます。建築主事を限定的に置く市町村では、政令で定める建築物について都道府県知事が所管行政庁になります。建築基準法の特定行政庁とほぼ同じ顔ぶれで、国土交通大臣は出てきません。

特別特定建築物の義務違反には、いきなり是正命令を出せます

所管行政庁は、14条1項から3項までの規定(適合義務・維持義務・条例で付加した義務)に違反している事実があると認めるときは、建築主等に対し、当該違反を是正するために必要な措置をとるべきことを命ずることができます(15条1項)。命令の前に勧告を置く定めも、建物の使用を制限する定めも、この法律にはありません。違反そのものを直させることが目的なので、直すための措置を直接命じる形になっています。

所管行政庁の図解:義務違反の映画館には、勧告なしで是正の措置を命じる。

義務違反の映画館には、勧告なしで是正の措置を命じる。

国や県の建物には命令できず、通知して要請します

国、都道府県、建築主事又は建築副主事を置く市町村の特別特定建築物には、15条1項の命令は適用されません(15条2項)。同じ公の機関同士で命令するのではなく、違反の事実を認めたときは直ちにその旨を管理する機関の長に通知し、是正の措置をとるべきことを要請しなければなりません。要請は「しなければならない」で、黙って見過ごす選択はありません。

所管行政庁の図解:国や県の建物には命令ではなく、機関の長に通知して要請。

国や県の建物には命令ではなく、機関の長に通知して要請。

特定建築物には指導と助言、認定建築物には改善命令と取消しです

特定建築物の努力義務については、その適確な実施を確保するため必要があると認めるとき、建築主等に対し建築物移動等円滑化基準を勘案して設計及び施工に係る事項について必要な指導及び助言をすることができます(16条3項)。2,000㎡未満で努力義務にとどまる特別特定建築物についても同じく指導及び助言です(15条3項)。特定建築物の建築等及び維持保全の計画の認定(17条3項)、計画に従わない認定建築主等への改善命令(21条)、命令違反のときの認定の取消し(22条)も所管行政庁が行います。

所管行政庁 建築基準法の規定により建築主事又は建築副主事を置く市町村又は特別区の区域については当該市町村又は特別区の長をいい、その他の市町村又は特別区の区域については都道府県知事をいう。

出典: バリアフリー法 2条22号

実務ではこう使う

対象不動産の所在地が建築主事を置く市か、それ以外かで所管行政庁が変わるため、遵法性やバリアフリー認定の照会先を間違えないようにします。是正命令を受けた建物は使用の継続に支障が出るおそれがあり、評価上のリスクとして確認します。自治体条例で規模を引き下げている場合、その条例を運用するのもこの所管行政庁です。

関連用語

#不動産鑑定士試験 #所管行政庁 #行政法規

短答式対策

肢別トレーニングで行政法規を攻略

過去問をベースにした一問一答形式のトレーニング。 行政法規の頻出論点を効率的に学べます。

年額プランなら1日わずか27円

トレーニングを始める 無料でアカウント作成
App Storeからダウンロード Google Playで手に入れよう
肢別トレーニング画面
用語集に戻る