地域要因の比較及び個別的要因の比較とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
取引事例等の価格等が、その不動産の存する用途的地域の地域要因と当該不動産の個別的要因を反映していることから、近隣地域と事例の存する地域との地域要因の比較と、対象不動産と事例に係る不動産との個別的要因の比較を、それぞれ行うことです。つまり、事例の値段を「町の違い」と「土地そのものの違い」の二段で対象不動産...
地域要因の比較及び個別的要因の比較とは
隣町で坪100万円の土地が売れたと聞いても、こちらの町は駅から遠いので同じ値段にはなりません。さらに、その事例地が角地で、こちらは奥まった土地なら、また値段が違います。前者が町どうしの違いを直す地域要因の比較で、後者が土地どうしの違いを直す個別的要因の比較です。取引価格には、事例の存する用途的地域の地域要因と、その不動産の個別的要因の両方が映り込んでいるので、二段に分けて直します。取引事例比較法では、事情補正と時点修正のあとにこの比較を行い、こうして求めた価格を比較考量して比準価格を求めます。

町の違いを直してから、土地の違いを直す。
事例が近隣地域の中にあれば、個別的要因の比較だけを行います
近隣地域は、対象不動産と同じ地域要因を共有している地域です。その中の事例なら、町の違いはもともと無いので、対象不動産と事例との個別的要因の比較だけを行います。基準が「近隣地域に存するものである場合においては、個別的要因の比較を」と分けて書いているのはこのためです。
事例が近隣地域の外にあれば、地域要因の比較も要ります
事例が同一需給圏内の類似地域等にあるときは、近隣地域と事例の存する地域との地域要因の比較を行い、そのうえで対象不動産と事例との個別的要因の比較を行います。同一需給圏内の代替競争不動産のときも同じです。代替競争不動産は対象不動産の個別性が強く、近隣地域の制約が小さい場面で選ぶ事例ですが、留意事項は、それでも市場の特性に影響を与えている地域要因の比較をあわせて行うよう念を押しています。用途的地域が似ているように見えても、地域要因の比較を省くことはできません。

近隣地域の中の事例は土地の違いだけ。外の事例は町の違いも直す。
この二段の比較は、三手法に共通する留意事項です
地域要因の比較及び個別的要因の比較は、取引事例比較法だけの手順ではなく、試算価格を求める場合の一般的留意事項として三手法に共通します。原価法の間接法でも、類似の不動産の建設費の明細を補正し、必要に応じて時点修正を行ったうえで、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って対象不動産の再調達原価を求めます。事例の値段をそのまま持ってこられないという事情は、取引事例でも建設事例でも同じだからです。

原価法の間接法でも、建設事例を同じ二段で対象不動産に引き寄せる。
取引事例等として同一需給圏内の代替競争不動産に係るものを選択する場合において、価格形成要因に係る対象不動産との比較を行う際には、個別的要因の比較だけでなく市場の特性に影響を与えている地域要因の比較もあわせて行うべきことに留意すべきである。
出典: 総論第7章 第1節
取引事例等の価格等は、その不動産の存する用途的地域に係る地域要因及び当該不動産の個別的要因を反映しているものであるから、取引事例等に係る不動産が同一需給圏内の類似地域等に存するもの又は同一需給圏内の代替競争不動産である場合においては、近隣地域と当該事例に係る不動産の存する地域との地域要因の比較及び対象不動産と当該事例に係る不動産との個別的要因の比較を、取引事例等に係る不動産が近隣地域に存するものである場合においては、対象不動産と当該事例に係る不動産との個別的要因の比較をそれぞれ行う必要がある。
出典: 総論第7章 第1節
実務ではこう使う
評価書の比準表では、事例ごとに地域要因の格差率と個別的要因の格差率の欄を分け、近隣地域内の事例は地域要因の欄を格差なしとして個別的要因だけを補正します。同じ需給圏の別地域から採った事例には、街路条件・交通接近条件・環境条件などの項目で地域格差を付けてから、画地条件などの個別格差を付けます。
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