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有害物質使用特定施設とは?土壌汚染対策法での意味を図でわかりやすく解説

水質汚濁防止法の特定施設のうち、特定有害物質をその施設において製造し、使用し、又は処理するものです。つまり、めっきの処理槽やクリーニングの洗浄機のように有害物質を扱う設備で、その使用を廃止すると敷地の土壌汚染状況調査が義務になります。

有害物質使用特定施設とは

町のめっき工場が廃業して、跡地にマンションが建つ、という話はよくあります。めっきの処理槽では六価クロムやシアンを使っていたので、長年の操業で土に染み込んでいるおそれがあります。こうした「特定有害物質を扱っていた設備」が有害物質使用特定施設で、水質汚濁防止法で届出が要る特定施設の中から、有害物質を扱うものだけを取り出した呼び名です。設備を使い終えて廃止したときが、敷地の土を調べる最初の入口になります。

有害物質使用特定施設の図解:有害物質を扱っていた設備を廃止したら、敷地の土を調べて知事に報告する。

有害物質を扱っていた設備を廃止したら、敷地の土を調べて知事に報告する。

廃止したら所有者等が調査させて知事に報告します

3条1項は、使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場又は事業場の敷地であった土地の所有者、管理者又は占有者(所有者等)のうち、その施設を設置していた者か知事から通知を受けた者は、土壌の汚染の状況を指定調査機関に調査させて、その結果を都道府県知事に報告しなければならない、と定めています。義務を負うのは、施設を設置していた所有者等か、設置者でないために知事から通知を受けた所有者等で、どちらも土地の所有者等の立場で負います。報告先は環境大臣ではなく知事です。報告は施設の廃止の日から120日以内に行います(施行規則1条)。

健康被害のおそれがなければ知事の確認で調査は要りません

3条1項ただし書は、その土地について予定されている利用の方法からみて健康被害が生ずるおそれがない旨の都道府県知事の確認を受けたときは、調査と報告を要しない、と定めています。工場を閉めた後もそのまま工場用地として使い続けるように、人が土に触れず、井戸水も飲まない使い方なら、いま調べなくても健康には及ばないという考えです。確認を受けた土地でも、利用の方法を変えるときはあらかじめ知事に届け出、健康被害のおそれがあれば確認は取り消されます(3条5項・6項)。形質の変更をするときもあらかじめ届け出、届出を受けた知事は調査を命じます(3条7項・8項)。

有害物質使用特定施設の図解:そのまま工場として使い続けるなら、知事の確認で調査は要らない。

そのまま工場として使い続けるなら、知事の確認で調査は要らない。

設置者以外に所有者等がいれば、知事が廃止を通知します

3条3項は、都道府県知事は、水質汚濁防止法の使用廃止の届出を受けた場合などに、施設を設置していた者以外に土地の所有者等があるときは、その所有者等に対し、施設の使用が廃止された旨を通知するものとする、と定めています。借地に工場を建てていた事業者が撤退すると、地主は設備が廃止されたことを知らないままになりかねません。通知を受けた所有者等が調査と報告の義務を負う仕組みなので、知事の通知が地主と調査義務をつなぐ役目をしています。

有害物質使用特定施設の図解:借地の工場が撤退したら、知事が地主に廃止を知らせて調査義務をつなぐ。

借地の工場が撤退したら、知事が地主に廃止を知らせて調査義務をつなぐ。

施設のある工場の敷地では900㎡以上で届出が要ります

4条1項は、環境省令で定める規模以上の土地の形質の変更をしようとする者に、着手の30日前までの知事への届出を義務づけています。その規模は原則3,000㎡ですが、現に有害物質使用特定施設が設置されている工場等の敷地と、使用が廃止された施設の敷地であった土地(報告済みや確認済みのものを除く)では900㎡です(施行規則22条)。汚染のおそれが高い土地ほど、小さな工事でも届出の網に掛けています。

使用が廃止された有害物質使用特定施設(水質汚濁防止法第二条第二項に規定する特定施設であって、同条第二項第一号に規定する物質(特定有害物質であるものに限る。)をその施設において製造し、使用し、又は処理するものをいう。)に係る工場又は事業場の敷地であった土地の所有者、管理者又は占有者であって、当該有害物質使用特定施設を設置していたもの又は第三項の規定により都道府県知事から通知を受けたものは、…当該土地の土壌の特定有害物質による汚染の状況について、環境大臣又は都道府県知事が指定する者に環境省令で定める方法により調査させて、その結果を都道府県知事に報告しなければならない。ただし、…人の健康に係る被害が生ずるおそれがない旨の都道府県知事の確認を受けたときは、この限りでない。

出典: 土壌汚染対策法 3条1項

実務ではこう使う

工場跡地の評価では、水質汚濁防止法の特定施設の届出の有無と、その廃止の時期を役所で確かめます。廃止に伴う調査の結果と区域指定の有無は、地歴調査の中心です。操業中の工場の敷地では、将来の廃止時に調査義務が生じることを、継続使用を前提とする評価でも留意事項に書きます。

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