土壌汚染状況調査とは?土壌汚染対策法での意味を図でわかりやすく解説
3条・4条・5条に基づいて行う、土壌の特定有害物質による汚染の状況の調査です(2条2項)。つまり、施設の廃止・大きな掘削の届出・健康被害のおそれという三つの入口から始まり、指定調査機関が調べて、結果を都道府県知事に報告する法律上の調査です。
土壌汚染状況調査とは
土の中の汚れは、見ただけでは分かりません。掘って土を採り、分析して初めて「どこにどれだけ」が分かります。土壌汚染対策法は、この調べる作業を土壌汚染状況調査と名付け、いつ調べるか(入口)、誰が調べるか(指定調査機関)、結果をどこへ出すか(知事)を決めています。知事はこの報告を受けて、汚染があれば要措置区域か形質変更時要届出区域に指定します。区域指定の手前にある、法律の仕組み全体の起点です。

入口は三つでも、調べる人と報告先は一つ。
契機は三つあります
2条2項は3条・4条・5条の調査をまとめて土壌汚染状況調査と呼んでおり、大きく分けると契機は三つです。一つ目は有害物質使用特定施設の使用の廃止で、敷地の所有者等が調べます(3条1項)。廃止後に知事の確認を受けた土地で形質の変更の届出があり、知事が調査を命じたとき(3条8項)も、この入口の続きです。二つ目は一定規模以上の土地の形質の変更の届出を受けた知事が、汚染のおそれの基準に該当すると認めて調査を命じたとき(4条3項)です。三つ目は、地下水の汚濁や人の立入りの状況から健康被害が生ずるおそれがあるものとして政令で定める基準に該当する土地に、知事が調査を命じたとき(5条1項)です。対象は施設の跡地に限らず、二つ目と三つ目は工場と関係のない土地にも及びます。
調べるのは指定調査機関です
3条1項は、調査を環境大臣又は都道府県知事が指定する者に環境省令で定める方法により行わせる、と定め、4条3項と5条1項の命令による調査も同じです。土地の所有者等が自分で土を採って測る仕組みではなく、公正な調査ができると認められた機関に行わせることで、結果の信頼を保っています。指定調査機関は、調査を求められたときは正当な理由がある場合を除き遅滞なく行わなければなりません(36条1項)。
調査は、地歴の把握から始まります
調査を行う者は、まず対象地とその周辺について、土地の利用の状況、特定有害物質の製造・使用・処理の状況、土壌や地下水の汚染の概況といった、汚染のおそれを推定するのに有効な情報を集めます(施行規則3条)。古い地図や航空写真、工場の届出書類がその材料です。この地歴調査で「おそれあり」の区画を絞り、そこを試料採取の対象にします。いきなり敷地全部を掘るのではなく、履歴から当たりを付けるのが調査の型です。

昔なにに使われたかを資料で調べ、汚れているおそれの区画を絞ってから掘る。
形質の変更の届出者は、自ら調査させて結果を添えられます
4条2項は、形質の変更の届出をする者が、土地の所有者等の全員の同意を得て指定調査機関に調査させ、届出と併せて結果を提出することができる、と定めています。結果の提出があれば、知事は改めて調査を命じません(4条3項ただし書)。工事の予定が決まっている事業者にとっては、命令を待たずに先に調べたほうが工期を読めるので、この道が用意されています。法律の義務によらない自主調査には知事への報告義務はなく、汚染が見つかったときは指定の申請で法律の枠に乗せることができます(14条1項)。

届出と一緒に調査結果を出せば、知事が改めて命じることはない。
この法律において「土壌汚染状況調査」とは、次条第一項及び第八項、第四条第二項及び第三項本文並びに第五条の土壌の特定有害物質による汚染の状況の調査をいう。
出典: 土壌汚染対策法 2条2項
実務ではこう使う
土壌汚染の可能性がある土地の評価では、法律に基づく調査の報告があるか、自主調査の結果があるかを依頼者に確かめ、評価書に調査の範囲と結果を記載します。調査がされていない土地は、地歴調査で汚染のおそれを見立て、必要なら調査を条件とした評価にします。指定調査機関の報告書は、区域指定の見込みと対策費用を読む一次資料です。
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