指定調査機関とは?土壌汚染対策法での意味を図でわかりやすく解説
土壌汚染状況調査等を行う者として、環境大臣又は都道府県知事が指定した者です(3条1項・2項)。つまり、土地の所有者の代わりに公正に土を調べる資格を持つ調査会社で、技術管理者を置き、求められたら遅滞なく調査を行う義務を負います。
指定調査機関とは
土地の持ち主が自分で土を調べて「汚れていません」と報告しても、買い手も役所も安心はできません。都合の悪い結果を出したくない立場の人が測っているからです。そこで法律は、土を調べる仕事を、国か県が「この会社なら公正に調べられる」と指定した調査会社に任せることにしました。これが指定調査機関です。指定には申請と基準、5年ごとの更新があり、機関には技術管理者を置く義務と、頼まれたら断らない義務が課されています(29条〜36条)。

土地の持ち主の代わりに、指定を受けた機関が公正に調べる。
指定するのは環境大臣か知事で、5年ごとに更新します
3条2項は、二以上の都道府県の区域で調査を行おうとする者の指定は環境大臣が、一の都道府県の区域で行おうとする者の指定は都道府県知事がする、と定めています。活動する範囲が県をまたぐなら、どの県の知事も全体を見渡せないので国が指定する、という分け方です。指定は申請により行い(29条)、経理的基礎と技術的能力の基準に適合し、法人なら役員の構成が調査の公正を損なわないことが条件です(31条)。指定は5年ごとに更新を受けなければ効力を失います(32条1項)。

県をまたいで活動する機関は国が、一県だけの機関は知事が指定する。
技術管理者を選任し、調査では他の従事者を監督させます
33条は、指定調査機関は、調査の技術上の管理をつかさどる者で環境省令で定める基準に適合するもの(技術管理者)を選任しなければならない、と定めています。34条1項は、調査を行うときは技術管理者に他の従事者の監督をさせなければならない、と定め、技術管理者以外の者が従事しない場合だけを例外にしています。調査の質は現場の人の腕で決まるので、資格を持つ管理者が現場を見る、という担保の仕方です。

資格を持つ技術管理者が現場で他の作業員を監督する。
求められたら正当な理由がなければ遅滞なく、公正に行います
36条1項は、指定調査機関は、調査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく調査を行わなければならない、と定めています。土地の所有者等には調査の義務が課されているので、その受け皿になる機関が調査を断れば、義務を果たす道がなくなってしまいます。36条2項は、公正に、かつ環境省令で定める方法により行うことを求めています。調査を行わないとき、または方法が適当でないときは、環境大臣等が、調査を行い、または方法を改善すべきことを命ずることができます(36条3項)。
土地の売買の前に調査させる義務はありません
指定調査機関に調査させる義務が生じるのは、施設の廃止(3条)と知事の命令(4条3項、5条1項)の場合です。土地を売るときに調査して報告する義務は、この法律にありません。4条1項が定めるのは一定規模以上の形質の変更の届出であって、売買の届出でもありません。売買の前に調べるかどうかは当事者の判断で、調べて汚染が分かれば、指定の申請で法律の枠に乗せることができます(14条)。
前項の指定は、二以上の都道府県の区域において土壌汚染状況調査及び第十六条第一項の調査(以下「土壌汚染状況調査等」という。)を行おうとする者を指定する場合にあっては環境大臣が、一の都道府県の区域において土壌汚染状況調査等を行おうとする者を指定する場合にあっては都道府県知事がするものとする。
出典: 土壌汚染対策法 3条2項
実務ではこう使う
評価に使う土壌汚染の調査報告書は、指定調査機関が作成したものかを確かめます。指定調査機関以外の調査は、法律の義務による調査には当たらず、自主調査として扱われます。売買の前に調査するかどうかは当事者の判断で、評価では調査の有無を前提条件として書きます。
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