指定の申請とは?土壌汚染対策法での意味を図でわかりやすく解説
法律の調査義務の対象でない土地の所有者等が、自主的に調査した結果、土壌の汚染状態が基準に適合しないと思料するときに、都道府県知事に対して要措置区域又は形質変更時要届出区域の指定を申請できる制度です(14条1項)。つまり、自分で調べて汚れが分かった持ち主が、自分の土地を法律の区域の枠に乗せてもらうための申...
指定の申請とは
土地を売る前に、売主が自分の費用で土壌調査をする例は多くあります。法律の義務による調査ではないので、汚れが見つかっても知事に報告する義務はありません。ただ、そのままでは、掘り出した汚れた土を法律の手続に乗せて処理することも、買主に「区域に指定された土地です」と公の記録で示すこともできません。そこで所有者等が「この土地を区域に指定してください」と知事に申し出る道が用意されています。これが指定の申請で、申請は任意です。共有地や借地では、他の所有者等の全員の合意が要ります。

自分で調べて汚れが分かったら、自分から区域の指定を申し込める。
申請できるのは基準不適合と思料する所有者等です
14条1項は、土地の所有者等は、3条・4条・5条の調査義務の対象でない土地について汚染の状況を調査した結果、汚染状態が6条1項1号の環境省令で定める基準に適合しないと思料するときは、知事に対し要措置区域又は形質変更時要届出区域の指定を申請することができる、と定めています。「申請することができる」であって、報告や申請の義務ではありません。基準に適合すると思うときは申請の対象になりません。申請書には調査の方法と結果などを記載し、環境省令で定める書類を添えて提出します(14条2項)。
他の所有者等がいるときは、あらかじめ全員の合意を得ます
14条1項後段は、その土地に申請に係る所有者等以外の所有者等がいるときは、あらかじめその全員の合意を得なければならない、と定めています。区域に指定されれば、形質の変更の禁止や届出の義務が区域内の全員に及びます。一人の判断で他の人の土地の使い方まで縛らないように、申請の前に全員の合意を求めています。過半数では足りず、事後の同意でも足りません。

指定されれば縛りは全員に及ぶから、申請の前に全員が合意する。
知事が公正と認めれば指定でき、法律の調査とみなされます
14条3項は、知事は、申請に係る調査が公正に、かつ3条1項の環境省令で定める方法により行われたものであると認めるときは、その土地の区域を指定することができる、と定め、その場合は申請に係る調査を土壌汚染状況調査とみなします。知事は必要があれば申請者に報告や資料の提出を求め、職員に立入検査をさせることができます(14条4項)。自主調査でも、法定の方法で公正に行われたものなら、法律の調査と同じ扱いを受けるということです。
土地の所有者等は、第三条第一項本文及び第八項、第四条第三項本文並びに第五条第一項の規定の適用を受けない土地(…)の土壌の特定有害物質による汚染の状況について調査した結果、当該土地の土壌の特定有害物質による汚染状態が第六条第一項第一号の環境省令で定める基準に適合しないと思料するときは、環境省令で定めるところにより、都道府県知事に対し、当該土地の区域について同項又は第十一条第一項の規定による指定をすることを申請することができる。この場合において、当該土地に当該申請に係る所有者等以外の所有者等がいるときは、あらかじめ、その全員の合意を得なければならない。
出典: 土壌汚染対策法 14条1項
実務ではこう使う
売買の前に売主が自主調査を行い、指定の申請をして区域指定を受けた上で取引する例が増えています。指定を受けると台帳に載り、汚染土壌の搬出も法律の手続で管理されるため、買主にとって汚染の範囲と処理の見通しが明確になります。評価では、自主調査だけの土地と指定を受けた土地とで、汚染の確度と対策費用の根拠が違うことを踏まえます。
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