/ 鑑定理論

不動産の種類とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説

不動産の種別及び類型の二面から成る、複合的な不動産の概念です。つまり、「何に使う土地か」という用途の面と、「建物が載っているか、どんな権利が付いているか」という面を合わせて、初めて一つの不動産の姿が決まります。

不動産の種類とは

知人に土地を紹介するとき、「駅前の商業地だよ」とだけ言われても、買い手は値段を付けられません。その土地に他人の建物が建っている底地なのか、何も建っていない更地なのかで、手に入る中身がまるで違うからです。逆に「底地だよ」とだけ言われても、住宅街の底地か駅前の底地かが分からなければ、やはり値段は付きません。用途の面(種別)と、建物と権利の面(類型)の二つが重なって、初めて一つの不動産の姿が見えます。この二面を合わせたものを、基準は不動産の種類と呼びます。

不動産の種類の図解:用途の面と、建物と権利の面がそろって、初めて不動産の種類になる。

用途の面と、建物と権利の面がそろって、初めて不動産の種類になる。

種類は、種別と類型の二面がそろって初めて一つになります

基準は、不動産の種類を「種別及び類型の二面から成る複合的な概念」と言います。種別は用途に関して区分される分類、類型は有形的利用及び権利関係の態様に応じて区分される分類で、どちらか一方だけでは種類になりません。種別と類型が不動産の経済価値を本質的に決定づけるので、両面の分析をまって初めて精度の高い鑑定評価ができる、というのが基準の考え方です。評価書で対象不動産を「商業地域内の商業地」と「貸家及びその敷地」の両方で書くのは、このためです。

地域性には種別が、有形的利用と権利関係には類型が対応します

第2章の柱書は、鑑定評価では不動産の地域性並びに有形的利用及び権利関係の態様に応じた分析を行う必要がある、と始まります。地域性とは、土地がまわりの土地と一つの地域をつくり、その地域と支え合い、地域の特性の影響を受ける性質のことで、これに応じた分類が種別です。有形的利用(建物が載っているか)と権利関係(他人の権利が付いているか)に応じた分類が類型です。ただし種別の定義そのものは「用途に関して区分される分類」であって、「地域性に関して」ではありません。地域性は種別という分け方が要る理由であり、定義の文言ではないからです。

手法の選び方は、種別だけでは決まりません

同じ商業地でも、更地なら取引事例から求める比準価格と、収益から求める収益価格を関連づけて価格を決めます。貸家及びその敷地なら、家賃から求める収益価格を標準にします。どの手法を使うかは、類型で決まる部分が大きいのです。各論の手法は、宅地・農地・林地・宅地見込地という種別ごとに分かれ、宅地の中はさらに更地・建付地・底地という類型ごとに分かれています。地域の種別を宅地地域・農地地域・林地地域等と分けるだけでは手法までたどり着けず、種別と類型の両面がそろって初めて、どの手法で価格を求めるかが決まります。

不動産の種類の図解:同じ商業地でも、更地と貸家では使う手法が変わる。

同じ商業地でも、更地と貸家では使う手法が変わる。

不動産の種類とは、不動産の種別及び類型の二面から成る複合的な不動産の概念を示すものであり、この不動産の種別及び類型が不動産の経済価値を本質的に決定づけるものであるから、この両面の分析をまって初めて精度の高い不動産の鑑定評価が可能となるものである。

出典: 総論第2章

実務ではこう使う

評価書の冒頭で、対象不動産を「商業地域内の商業地」のように種別で、「貸家及びその敷地」のように類型で書きます。現地調査で周りの街並みを見て種別を固め、登記事項証明書と賃貸借契約書で建物と権利を確かめて類型を固めます。この二面が決まると、比べる取引事例の範囲と、価格を求める手法がそれぞれ決まります。

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