行政財産の使用許可とは?国有財産法での意味を図でわかりやすく解説
行政財産を、その用途又は目的を妨げない限度において、国以外の者に使用又は収益させる許可です(18条6項)。つまり庁舎の売店や公園の出店のように、国の使い方を邪魔しない範囲で使わせる仕組みで、許可を受けてする使用や収益には借地借家法が適用されません(18条8項)。
行政財産の使用許可とは
役所の庁舎に入っている売店や食堂、庁舎の敷地に置かれた自動販売機、国有地の下を通る市の水道管。行政財産は貸したり売ったりできないのが原則ですが、こうした「国の使い方を邪魔しないちょっとした使用」まで禁じる必要はありません。そこで国有財産法は、契約で貸すのではなく、役所が「許可」という形で使わせる道を用意しました。許可なので、公共のために必要になれば取り消すことができ、借主を守る借地借家法も働きません。

庁舎の仕事を妨げない一角だから、契約ではなく許可で使わせる。
許可できるのは、用途又は目的を妨げない限度に限られます
18条6項は、行政財産の用途又は目的を妨げない限度で使用又は収益を許可できると定めます。庁舎の一角の売店、屋上のアンテナ、敷地の一部の駐車場のように、国の仕事を続けながら空いている部分を使わせる場面です。「妨げない限度」が枠なので、庁舎全体を使わせるような許可はできず、逆に許可が全くできないわけでもありません。処分を禁じた18条1項の例外ではなく、処分に当たらない使わせ方として別に置かれています。
許可なので、借地借家法は適用されません
許可を受けてする行政財産の使用又は収益には、借地借家法の規定は適用しません(18条8項)。借地借家法は借主を守る法律で、契約の更新を拒めなくしたり明渡しを難しくしたりします。それが働くと、庁舎を建て替えたい、公園を広げたいという公共の必要が生じても、国は使用をやめさせにくくなります。そうならないように、使用許可は民間の賃貸借とは別物だと条文で言い切っています。

許可は契約ではないから、借地借家法は使えない。
道路・水道・下水道の用なら、無償にできます
18条7項は、地方公共団体、政令で定める法人、地方道路公社が行政財産を道路、水道又は下水道の用に供する必要がある場合に、18条2項1号の貸付けや地上権・地役権の設定、6項の許可をするときは、無償で使用させ、又は収益させることができると定めます。国有地の下に市の水道管を通すような場面です。条文に理由は書いていませんが、住民の暮らしに直結する基盤だから対価を求めないものと読めます。「できる」なので、無償にする義務ではありません。

道路・水道・下水道の用なら、無償で使わせることができる。
使用料や取消しには、普通財産の貸付けの規定を準用します
19条により、使用許可には21条から25条までの規定(貸付期間の一部を除く)が準用されます。使用料は毎年定期に納付させ(23条)、国や公共団体で公共用・公用・公益事業の必要が生じたときは許可を取り消すことができ、相手方は損失の補償を求められます(24条)。
行政財産は、その用途又は目的を妨げない限度において、その使用又は収益を許可することができる。/第六項の規定による許可を受けてする行政財産の使用又は収益については、借地借家法(平成三年法律第九十号)の規定は、適用しない。
出典: 国有財産法 18条6項・8項
実務ではこう使う
庁舎内の売店や庁舎の敷地に置く自動販売機の使用料は、使用許可に基づくもので、借地借家法の適用がない前提の水準です。行政財産の使用料の水準を賃料の事例として使うときは、この制度上の違いを踏まえて扱います。国有地に地方公共団体の水道管や電線が通っている場合、その負担の有無を個別的要因として確認します。
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