普通財産の貸付けとは?国有財産法での意味を図でわかりやすく解説
普通財産を契約で貸すことです。貸付期間は目的ごとに上限が決まり(21条)、貸付料は毎年定期に納付させ(23条)、国や公共団体で公共用などの必要が生じたときは所管する各省各庁の長が契約を解除できます(24条)。
普通財産の貸付けとは
国が使っていない土地を、民間の会社に駐車場として貸す、住宅を建てる人に定期借地権で貸す、山林を植林のために貸す。普通財産の貸付けは、国有地から収益を上げるいちばん普通の方法で、財務局の窓口で契約します。相手は民間なので契約は民法や借地借家法の世界ですが、国の財産である以上、期間や貸付料の納め方、公共の必要が生じたときの扱いには国有財産法が枠をはめています。鑑定士は貸付料の算定や改定でこの分野に関わります。

何のために貸すかで、期間の枠が決まる。
貸付期間は目的ごとに四つあり、定期借地権だけが「以上」です
21条1項は、植樹を目的とする土地は60年以内(1号)、建物の所有を目的とする土地で借地借家法22条1項の定期借地権の存続期間を設定するときは50年以上(2号)、その他の土地は30年以内(3号)、建物その他の物件は10年以内(4号)と定めます。条文に理由は書いていませんが、木は育つのに長くかかるから60年、建物より土地の方が長く貸せるから30年と10年、と目的に応じた年数だと読めます。2号だけ「以上」なのは、借地借家法の定期借地権が50年以上の存続期間を要件にしているからで、国が貸すときもその要件に合わせます。建物を建てる人に定期借地権を設定して貸すなら、3号の30年以内ではなく2号の50年以上です。
期間は更新できますが、定期借地権の場合は更新しません
21条2項は、1項の期間は更新でき、更新の日から各号の期間になると定めます。ただし2号の定期借地権の場合は除かれます。定期借地権は期間満了で確実に土地が返ってくることが仕組みの中身なので、更新の余地を残さないのです。

更新はできる。定期借地権だけは期限で返ってくる。
貸付料は毎年定期に納付させ、数年分の前納は妨げません
23条1項は貸付料を毎年定期に納付させなければならないとし、ただし書で数年分を前納させることを妨げないとします。原則は毎年の納付で、前納は「してもよい」扱いです。国にとって早く受け取る前納を禁じる理由はなく、他方で借受人に前納を強いる規定でもありません。

毎年が原則。前納は妨げないから受け取れる。
公共の必要が生じれば解除でき、借受人は補償を求められます
貸付期間中に国又は公共団体において公共用、公用又は公益事業の用に供するため必要を生じたときは、所管する各省各庁の長は契約を解除できます(24条1項)。借受人は生じた損失について補償を求められ(24条2項)、各省各庁の長はその請求を会計検査院の審査に付することができます(25条)。国有地は公共の必要が優先するけれども、借受人にただ我慢させるのではなく補償で埋める、という組み立てです。
普通財産の貸付けは、次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める期間とする。一 植樹を目的として土地及び土地の定着物(建物を除く。)を貸し付ける場合 六十年以内 二 建物の所有を目的として土地及び土地の定着物を貸し付ける場合において、借地借家法第二十二条第一項の規定に基づく借地権の存続期間を設定するとき 五十年以上 三 前二号の場合を除くほか、土地及び土地の定着物を貸し付ける場合 三十年以内 四 建物その他の物件を貸し付ける場合 十年以内/普通財産の貸付料は、毎年定期に納付させなければならない。ただし、数年分を前納させることを妨げない。
出典: 国有財産法 21条1項・23条1項
実務ではこう使う
国有地の貸付料の算定や改定は、鑑定評価の依頼が多い分野です。定期借地権を設定した国有地では、存続期間が50年以上である前提で借地権の価格や地代を考えます。貸付契約に公共用などの必要による解除条項があることは、借地権の安定性に関わる個別的要因として評価書に書きます。
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