無償貸付とは?国有財産法での意味を図でわかりやすく解説
普通財産を、地方公共団体、水害予防組合及び土地改良区(公共団体)に、公園や墓地などの決められた用途のために貸付料を取らずに貸すことです(22条1項)。営利を目的とし、又は利益をあげる場合はできず、管理が良好でないときなどは直ちに解除しなければなりません(22条2項・3項)。
無償貸付とは
町の公園が実は国有地で、市が国からただで借りている、ということがよくあります。普通財産の貸付けは貸付料を取るのが基本ですが、公園や墓地、ごみ処理施設のように住民のために要るけれど収入を生まない施設まで有料にすると、結局は住民の税金から国へ払うだけになります。そこで国有財産法は、相手が公共団体で用途が決められたものであれば、無償で貸せる道を開きました。ただで貸すぶん、営利には使わせず、管理が悪ければすぐ取り上げる厳しさがついています。

市が住民のための公園に使うから、貸付料は取らずに貸せる。
相手は公共団体で、用途は条文に列挙されたものに限られます
22条1項が相手として認めるのは地方公共団体、水害予防組合、土地改良区で、私人や民間会社は含みません。用途は1号の緑地、公園、ため池、用排水路、火葬場、墓地、ごみ処理施設、し尿処理施設、と畜場、信号機、道路標識その他公共用・公用の小規模な施設のほか、2号の生活困窮者の収容、3号の災害の応急措置、4号から6号の地震防災・原子力災害・国民保護の応急対策があります。公園などの施設だけが用途ではありません。「無償で貸し付けることができる」と書かれているので、要件を満たしても無償にするかどうかは国の判断で、義務ではありません。
営利を目的とし、又は利益をあげる場合は無償にできません
22条2項は、公共団体におけるその施設の経営が営利を目的とし、又は利益をあげる場合には無償貸付を行うことができないと定めます。条文に理由は書いていませんが、国民の財産をただで使わせるのは、住民に必要で収入を生まない施設だからと読めます。同じ公園でも入場料を取って利益が出る運営なら、その理由が消えるので無償にはできません。

利益をあげる経営なら、ただで貸す理由がない。
管理不良や営利化のときは、直ちに解除しなければなりません
22条3項は、無償で貸し付けた普通財産について、公共団体の管理が良好でないと認めるとき、又は営利を目的とし利益をあげることとなったときは、各省各庁の長は直ちにその契約を解除しなければならないと定めます。有償の貸付けの解除(24条)が、公共の必要が生じたときに「解除することができる」という裁量なのに対し、ここは義務です。条文に理由は書いていませんが、ただで貸している以上、目的どおりきちんと管理されることが条件で、それが崩れたら国が待つ理由はないためと読めます。

ただで貸しているのに管理が悪いから、直ちに解除する。
普通財産は、次に掲げる場合においては、地方公共団体、水害予防組合及び土地改良区(以下「公共団体」という。)に、無償で貸し付けることができる。一 公共団体において、緑地、公園、ため池、用排水路、火葬場、墓地、ごみ処理施設、し尿処理施設、と畜場又は信号機、道路標識その他公共用若しくは公用に供する政令で定める小規模な施設の用に供するとき。二 公共団体において、保護を要する生活困窮者の収容の用に供するとき。三 公共団体において、災害が発生した場合における応急措置の用に供するとき。…/各省各庁の長は、第一項の規定により、普通財産を無償で貸し付けた場合において、公共団体の当該財産の管理が良好でないと認めるとき又は前項の規定に該当することとなつたときは、直ちにその契約を解除しなければならない。
出典: 国有財産法 22条1項・3項
実務ではこう使う
市が国有地を無償で借りて公園にしている土地は、市場で取引されず賃料も発生しないので、取引事例や賃貸事例には使いません。評価対象の近隣にそうした公園があることは、地域分析で公共施設の状態として書きます。無償貸付の対象地が用途を廃止して普通財産として売られることになれば、そのときに鑑定評価が依頼されます。
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