普通財産の売払いとは?国有財産法での意味を図でわかりやすく解説
普通財産を売って所有権を移すことです。所管する各省各庁の長は原則として買受人に用途と、その用途に供すべき期日及び期間を指定し(29条)、売払代金は引渡前に納付させますが、公共団体や教育・社会事業の団体には5年以内の延納の特約ができます(31条)。
普通財産の売払いとは
使わなくなった国有地は、財務局が一般競争入札にかけて売ったり、市町村に学校用地として売ったりします。普通財産は売れる財産ですが、売った後の使われ方と代金の受け取り方に、国有財産法は二つの枠をはめました。一つは「何に使うか」を指定して、目的外に転売されないようにすることです。もう一つは、代金は物を渡す前に全額受け取るのが原則で、分割は公共団体などに限ることです。無償で渡す譲与も、用途の指定については売払いと同じ扱いです。

国の土地を手放すから、何に使うかと、いつからいつまでかを決めておく。
売払いも譲与も、原則として用途と期日・期間を指定します
29条1項は、普通財産の売払い又は譲与をする場合、所管する各省各庁の長は買受人又は譲与を受けた者に対して用途と、その用途に供しなければならない期日及び期間を指定しなければならないと定めます。指定した期日を過ぎても用途に供しないとき、期間内に用途を廃止したときは契約を解除でき(30条1項)、損害賠償を求めるときは財務大臣に協議します(30条2項)。ただし書で政令で定める場合は除かれており、一般競争入札で売るときのように用途を縛る意味がない場面です。無償で渡す譲与も売払いと区別せずに指定の対象です。条文に理由は書いていませんが、ただで受け取った財産ほど目的外に使われる心配が大きいためと読めます。
代金は引渡前が原則で、公共団体などには延納の特約ができます
31条1項は、売払代金と交換差金を財産の引渡前に納付させなければならないとします。ただし譲渡を受けた者が公共団体又は教育若しくは社会事業を営む団体で、一時に支払うことが困難なときは、確実な担保を徴し、利息を付して、5年以内の延納の特約ができます。相手が地方公共団体なら担保を徴しないことができますが(31条2項)、利息を免除する規定はありません。延納の特約をするには財務大臣に協議し(31条3項)、譲渡を受けた者の管理が適当でないときは直ちに特約を解除します(31条4項)。

先に代金をもらうのが原則。待てるのは公共団体などだけ。
譲与ができるのは28条の場合だけです
譲与(無償で所有権を移すこと)ができるのは28条1項の四つの場合に限られます。公共団体が費用を負担した公共用財産の用途廃止、代わりの施設を作ったことによる用途廃止、寄附された公共用財産の用途廃止(寄附の際に特約をした場合を除き、寄附後20年以内)、公共団体の火葬場・墓地・ごみ処理施設・し尿処理施設・と畜場です。公園の用に供する普通財産は22条で無償貸付はできても、28条の列挙に無いので譲与はできません。
普通財産の売払い又は譲与をする場合は、当該財産を所管する各省各庁の長は、その買受人又は譲与を受けた者に対して用途並びにその用途に供しなければならない期日及び期間を指定しなければならない。ただし、政令で定める場合に該当するときは、この限りでない。/普通財産の売払代金又は交換差金は、当該財産の引渡前に納付させなければならない。ただし、当該財産の譲渡を受けた者が公共団体又は教育若しくは社会事業を営む団体である場合において、各省各庁の長は、その代金又は差金を一時に支払うことが困難であると認めるときは、確実な担保を徴し、利息を付し、五年以内の延納の特約をすることができる。
出典: 国有財産法 29条1項・31条1項
実務ではこう使う
財務局の一般競争入札の予定価格は鑑定評価で決められ、落札結果は公表されるので取引事例として使えます。用途指定つきで随意契約により売り払われた事例は、用途の制限や価格の決め方が入札と異なるので、事情補正の要否を確かめます。延納の特約は公共団体などに限られるため、民間の買受人は引渡前に全額を納める前提で資金計画を立てます。
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