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行政財産とは?国有財産法での意味を図でわかりやすく解説

国が公用、公共用、皇室用、森林経営用に供し、又は供するものと決定した国有財産です(3条2項)。つまり国が自分の仕事や国民のために現に使っている(使うと決めた)財産で、貸付けや売払いなどの処分は原則できず、違反する行為は無効です(18条)。

行政財産とは

役所の庁舎、国道、国営公園、皇居、国有林。どれも国が「使っている」財産で、売ったり貸したりする対象ではありません。国有財産法はこうした財産を行政財産と呼び、使う目的ごとに四つの種類に分けたうえで、処分を原則禁止しています。使っている最中に売られたり担保に取られたりすると、その仕事や公共のサービスが止まってしまうからです。用途をやめれば普通財産になり、そこから売払いなどの対象になります。

行政財産の図解:庁舎、国道、皇居、国有林。国が使っているから、四つとも行政財産。

庁舎、国道、皇居、国有林。国が使っているから、四つとも行政財産。

種類は四つで、使う目的で分けます

公用財産は国の事務・事業やその職員の住居の用(庁舎・公務員宿舎)、公共用財産は国が直接公共の用に供するもの(国道・国営公園・河川)、皇室用財産は皇室の用(皇居・御用地)、森林経営用財産は森林経営の用(国有林)です。「供するものと決定したもの」も含むので、まだ建設中の庁舎の土地も、使うと決めた時点で行政財産です。種類の変更や用途の変更には財務大臣への協議が要り(14条)、公園や広場の公共用財産の用途廃止には原則として国会の議決が要ります(13条1項)。

処分は原則禁止で、違反した行為は無効になります

18条1項は、行政財産を貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、信託し、出資の目的とし、私権を設定することを全部禁じています。禁止に反してした契約は取り消せるのではなく、初めから無効です(18条5項)。国が使っている財産を相手方の手に渡さないための、いちばん強い形の制限です。

行政財産の図解:国が使っている財産は売れない。契約しても無効。

国が使っている財産は売れない。契約しても無効。

例外は、決められた場合の貸付けと私権の設定だけです

18条2項は、用途又は目的を妨げない限度で、六つの場合に貸付けや地上権・地役権の設定を認めます。国以外の者が国有地の上に堅固な建物を持つ場合、地方公共団体などと一棟の建物を区分所有するために土地を貸す場合、庁舎の床や敷地に余裕がある部分を貸す場合、地方公共団体などの鉄道・道路のための地上権、電線路のための地役権などです。相手方も、所管する各省各庁の長が適当と認める者や地方公共団体などに絞られています。認められるのは貸付けと私権の設定だけで、売払いや譲与は例外の中にもありません。例外で貸し付けたときは普通財産の貸付けの規定が準用され、公共の必要が生じれば解除でき、借受人は損失補償を求められます(19条・24条)。

行政財産の図解:国と市の合同庁舎なら、用途を妨げないから土地を貸せる。

国と市の合同庁舎なら、用途を妨げないから土地を貸せる。

行政財産とは、次に掲げる種類の財産をいう。一 公用財産 二 公共用財産 三 皇室用財産 四 森林経営用財産/行政財産は、貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、信託し、若しくは出資の目的とし、又は私権を設定することができない。

出典: 国有財産法 3条2項・18条1項

実務ではこう使う

庁舎の敷地や国道など行政財産は市場で取引されないので、取引事例として使うことはありません。近隣に庁舎や公園といった公共用財産があることは、地域分析で街路や公共施設の状態として書きます。庁舎の余裕部分を民間に貸す場面や、行政財産の用途を廃止して普通財産として売り払う場面で、鑑定評価の依頼が生じます。

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