/ 鑑定理論

併合鑑定評価とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説

不動産の併合を前提として、併合後の不動産を単独のものとして鑑定評価の対象とする条件の鑑定評価です。つまり、隣の土地とくっつけた後にできる一つの不動産を、まだくっつける前に、それだけを見て評価します。

併合鑑定評価とは

自宅の隣の土地が売りに出て、買えば間口の広い一つの敷地になる、という場面を思い浮かべてください。買うかどうかを決めるには「一つになった後の敷地はいくらか」を知りたくなります。隣地はまだ他人のものなのに、くっついた後の敷地を一つの不動産として評価する。この条件を付けた鑑定評価が併合鑑定評価です。何を対象不動産にするかを依頼目的に合わせて決める、対象確定条件の一つです。

併合鑑定評価の図解:まだ他人の隣地でも、くっついた後の一つの土地を評価する。

まだ他人の隣地でも、くっついた後の一つの土地を評価する。

評価するのは、併合後にできる一つの不動産です

併合鑑定評価の対象は、自分の土地と隣の土地をそれぞれ別々に見たものではなく、二つが一つになった後の不動産です。間口が広がり、建てられる建物が変わるので、併合後の価格は二つの土地の価格を足した数字にはなりません。今の所有者は別々なので、現実の利用状況とは違う条件を置くことになります。だから、依頼目的に照らして、鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがないかを確かめてから条件を設定します。

求める価格は基本的に正常価格で、限定価格と結び付けません

併合後の不動産を単独のものとして見るので、その不動産を普通の市場に出したらいくらか、つまり正常価格を求めるのが基本です。限定価格は、隣地を買い足す売買のように、買い手が事実上その隣の所有者に限られる市場で、取得する部分について成り立つ価格です。併合鑑定評価は「併合後の全体」を対象にし、限定価格は「取得する部分」を対象にするので、見ているものが違います。対象確定条件は何を評価するかを決め、価格の種類はどの市場で見るかを決める、別々の判断です。

併合鑑定評価の図解:併合後の全体を普通の市場で見れば正常価格、取得部分を隣の人だけの市場で見れば限定価格。

併合後の全体を普通の市場で見れば正常価格、取得部分を隣の人だけの市場で見れば限定価格。

併合と分割を同時に前提とすることもできます

基準は「併合又は分割を前提として」と書くだけで、両方を同時に前提にすることを禁じていません。隣地の一部を切り出して自分の土地にくっつける依頼なら、隣地の分割と自分の土地への併合を同時に前提として条件を設定します。依頼目的に応じて必要な条件を組み合わせるのが対象確定条件の役目です。

併合鑑定評価の図解:隣地の一部を切り出して自分の土地に併せる依頼は、分割と併合を同時に前提にする。

隣地の一部を切り出して自分の土地に併せる依頼は、分割と併合を同時に前提にする。

不動産の併合又は分割を前提として、併合後又は分割後の不動産を単独のものとして鑑定評価の対象とすること(この場合の鑑定評価を併合鑑定評価又は分割鑑定評価という。)。

出典: 総論第5章 第1節

実務ではこう使う

隣地の買収を検討している依頼者から「一体になった後の土地はいくらか」と聞かれたときに設定します。評価書には、併合を前提とすること、併合後の画地の範囲を図面で明示し、併合前の各土地の価格や、取得部分について求める限定価格とは別の数字であることを説明します。依頼者以外に評価書が渡るなら、条件の意味が読み手に伝わるかを先に確かめます。

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