住宅の個別的要因とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
建物の用途毎に特に留意すべき個別的要因のうち住宅のもので、屋根、外壁、基礎、床、内装、間取り、台所・浴室・便所等の給排水設備・衛生設備の状況等と、性能表示や長期優良住宅の認定です。つまり、家を買う人が長く安心して暮らせるかを見る所です。
住宅の個別的要因とは
中古の家を内覧するとき、買い手は雨漏りの跡は無いか、基礎にひびは無いか、間取りは家族に合うか、台所や風呂は古くないか、と見て回ります。事務所を借りる会社がフロアの広さや天井の高さを見るのとは、着目する所がまるで違います。基準は、市場参加者が取引の際に着目する個別的要因は建物の用途ごとに異なると述べ、留意事項が用途ごとに「特に留意すべき個別的要因」を例示しています。住宅について挙げられているのが、屋根、外壁、基礎、床、内装、間取り、台所・浴室・便所等の給排水設備・衛生設備の状況等と、住宅性能表示や長期優良住宅の認定です。

内覧で家族が見て回る所が、そのまま住宅の個別的要因になる。
市場参加者が着目する所は、建物の用途ごとに違います
維持管理の状態や耐震性のように、どの用途でも見る共通の個別的要因があり、その上に用途ごとの要因が乗ります。住宅の買い手が気にするのは、長く持つか(屋根、外壁、基礎、床)と、暮らしやすいか(内装、間取り、台所・浴室・便所の水回り)です。事務所ビルなら基準階床面積や天井高が先に来て、間取りや浴室は問題になりません。用途ごとに要因を分けるのは、売り手と買い手が実際に値段を付けるときに見ている所を、鑑定評価でも同じように見るためです。

共通の要因の紙の上に、住宅ならではの要因の紙を重ねて見る。
性能表示と長期優良住宅の認定は、価格に効きます
住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく日本住宅性能表示基準による性能表示は、耐震性、省エネルギー性、劣化のしにくさなどを第三者が等級で示す仕組みです。長期優良住宅の普及の促進に関する法律に基づく認定は、長く良好な状態で使える設計と維持保全の計画を行政が認めたものです。買い手は壁の中や基礎の配筋を自分で確かめられないので、こうした公的な裏付けがあるかどうかで払える値段が変わります。留意事項がこれらにも留意するよう求めるのは、住宅価格に影響するからです。

壁の中は見えないから、性能評価書と認定通知書が値段の裏付けになる。
区分所有建物なら、一棟の建物と専有部分の両方を見ます
マンションの一室を評価するときは、上の要因に加えて、各論第1章第2節の区分所有建物及びその敷地の項と、留意事項の該当箇所に掲げる事項にも留意します。一棟の建物及びその敷地に係る要因(建物の階数、玄関・集会室等の施設の状態、敷地の規模、長期修繕計画の有無と修繕積立金の額など)と、専有部分に係る要因(階層及び位置、日照・眺望・景観、専有面積及び間取り、管理費等の滞納の有無など)を分けて見る構えです。一室の値段は、その部屋だけでなく建物全体の状態にも左右されるからです。
屋根、外壁、基礎、床、内装、間取り、台所・浴室・便所等の給排水設備・衛生設備の状況等に留意する必要がある。また、区分所有建物の場合は、このほか各論第1章第2節Ⅳ.1.及び本留意事項Ⅷ2.(2)に掲げる事項についても留意する必要がある。 また、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく日本住宅性能表示基準による性能表示、長期優良住宅の普及の促進に関する法律に基づき認定を受けた長期優良住宅建築等計画等にも留意する必要がある。
出典: 総論第3章 第3節
実務ではこう使う
戸建住宅の内覧では、屋根と外壁の劣化、基礎のひび、床の傾き、水回りの更新時期を確かめ、間取りが今の市場の需要に合うかを見ます。住宅性能評価書や長期優良住宅の認定通知書があれば写しをもらい、取引事例との比較で有利な要因として反映させます。中古住宅の取引では、インスペクションの結果や修繕履歴の有無が価格に出ることが増えています。
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