住宅地の個別的要因とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
住宅地の一画地に個別性を生じさせ、その価格を個別的に形成する要因で、基準は日照・通風及び乾湿や間口・奥行など16項目を例示しています。つまり、同じ住宅地域の中でも、この土地だけの住み心地と使いやすさを決める条件です。
住宅地の個別的要因とは
同じ住宅街の同じ通りに並ぶ二つの土地でも、日がよく当たる角地と、奥まった細長い土地では値段が違います。街全体の条件(地域要因)が同じでも、その一画地だけの条件で差が付くからです。日当たりと風通し、間口と奥行と形、前の道路との高低差、駅やスーパーまでの近さ、隣に高い建物があるか、上下水道が引けるか、埋まっているものや汚れた土がないか、法律や契約の縛りがあるか、といった条件です。こうした一画地ごとの条件が住宅地の個別的要因で、基準は主なものを16項目例示しています。

街の条件が同じでも、一画地の条件で値段は変わる。
日照、通風及び乾湿は、住宅地だけに例示されています
住宅地の例示の2番目にある日照、通風及び乾湿は、商業地と工業地の例示にはありません。住む土地では、日が当たり風が通り湿気がこもらないことが暮らしの快適さに直結し、値段に効くからです。店や工場の土地では、人の流れや輸送の便のほうが値段を決めるので、同じ項目は置かれていません。地勢、地質、地盤等のように三つの宅地に共通する項目と、住宅地にしかない項目とを分けて押さえます。

日当たりと風通しは、住む土地だからこそ値段に効く。
接面街路の条件は、三つの別々の項目で見ます
前の道路については、高低や角地かどうかという道路との関係、道路の幅員や構造、道路がどこにつながりどこまで続くかという系統及び連続性の三つが、別々の項目として並んでいます。幅が近所の標準と同じでも、道より一段低い土地と角地の土地では値段が違いますし、行き止まりの道と駅まで抜ける道でも違います。道路の条件は幅だけでは言い尽くせないので、三つに分けて見ます。この三つは住宅地・商業地・工業地の全部に共通です。

幅が同じでも、高低・角地・つながりで差が出る。
交通施設との距離と隣接不動産等周囲の状態も一画地の条件です
住宅地の交通の項目は交通施設との距離です。商業地は主要交通機関との接近性、工業地は従業員の通勤等のための主要交通機関との接近性と、同じ交通でも土地の使い方に合わせて言い回しが変わります。住む人にとっては、駅やバス停まで毎日歩く距離そのものが大事だからです。隣接不動産等周囲の状態は、隣に高層の建物が建っていて日が遮られるといった、その一画地だけが受ける影響で、街全体の条件ではないので個別的要因に置かれています。
住宅地の個別的要因の主なものを例示すれば、次のとおりである。
出典: 総論第3章 第3節
実務ではこう使う
住宅地の個別分析では、現地で間口・奥行と形状、前の道路の幅と高低差、日照を遮る隣の建物、嫌悪施設との近さを確かめ、役所で用途地域・建ぺい率・容積率・高さ制限・私道負担を調べます。地積測量図と実測図で間口・奥行・地積を確認し、埋蔵文化財包蔵地と土壌汚染の区域指定は台帳で確認します。取引事例と比べるときは、これらの項目ごとに格差率を作ります。
関連用語
アプリで学習
基準ビューワー × 穴埋めドリルで効率的に学ぶ
鑑定評価基準の原文をスマホで閲覧しながら、穴埋めドリルや論証トレーニングで知識を定着。 短答式・論文式どちらの対策にも対応しています。
年額プランなら1日わずか27円