商業地の個別的要因とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
商業地の一画地に個別性を生じさせ、その価格を個別的に形成する要因で、基準は商業地域の中心への接近性など14項目を例示しています。つまり、同じ商業地域の中でも、この土地だけの客の集めやすさを決める条件です。
商業地の個別的要因とは
同じ駅前の商店街でも、改札を出てすぐの角の店と、一本裏の通りの奥の店では、家賃も土地の値段もまるで違います。街全体のにぎわい(地域要因)は同じでも、その一画地に人がどれだけ通り、どれだけ来やすいかが違うからです。商店街の中心にどれだけ近いか、駅やバスからどれだけ近いか、人の流れに乗れる位置にあるか、それに間口や前の道路、隣の建物、上下水道や規制といった条件が、その店の売上を左右します。基準はこれを商業地の個別的要因として14項目例示しています。

同じ商店街でも、人の流れに乗れる一画地は高い。
商業地だけの三つの項目は、どれも客の集めやすさを見ます
商業地域の中心への接近性、主要交通機関との接近性、顧客の流動の状態との適合性の三つは、商業地にしかない例示です。中心に近いほど人が集まり、駅やバスに近いほど客が来やすく、人の流れが通る側に面しているほど店に入ってもらえます。店の土地の値段は、そこで商売をしてどれだけ稼げるかで決まるので、住宅地の日当たりに当たるものが、商業地ではこの三つになります。
日照、通風及び乾湿は、商業地には例示されていません
住宅地の例示にある日照、通風及び乾湿は、商業地の例示にはありません。店やビルの土地では、日当たりより人通りが売上を左右するからです。同じ間口でも、日陰の角地と日向の奥地なら角地のほうが高い、というのが商業地の値段の付き方です。住宅地に固有の項目が抜け、代わりに客の集めやすさに関わる三つの項目が入っている、と対にして押さえます。

同じビルの影でも、店は客で賑わい、家は洗濯物が乾かない。日照の例示は住宅地だけ。
交通の言い回しは、住宅地・商業地・工業地で違います
商業地は主要交通機関との接近性、住宅地は交通施設との距離、工業地は従業員の通勤等のための主要交通機関との接近性です。商業地で見ているのは客が来やすいかどうか、住宅地は住む人が毎日歩く距離、工業地は働く人が通えるかどうかで、誰にとっての交通かが違うので語も違います。接面街路の三項目、地勢・地質・地盤等、隣接不動産等周囲の状態、上下水道、情報通信基盤、埋蔵文化財、土壌汚染、規制は住宅地と共通で、商業地だけの項目ではありません。

客・住む人・働く人、誰にとっての交通かで語が変わる。
商業地の個別的要因の主なものを例示すれば、次のとおりである。
出典: 総論第3章 第3節
実務ではこう使う
商業地の個別分析では、最寄駅からの人の動線上にあるか、角地で目に付きやすいか、通行量の多い側の街路に面しているか、間口の広さと奥行の釣り合いを見ます。同じ通りでも人の流れが途切れる位置では賃料が落ちるので、実際に歩いて顧客の流動との適合を確かめます。商業地は容積率をどこまで使えるかが値段に効くので、公法上の規制の確認も欠かせません。
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