商業地域とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
宅地地域のうち、商業活動の用に供される建物等の敷地の用に供されることが、自然的、社会的、経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域です。つまり店や事務所が集まる街並みのことで、基準はその規模、構成の内容、機能等に応じた細分化を考え、留意事項は高度・準高度・普通・近隣・郊外路線の五つを挙げています。
商業地域とは
同じ「店が並ぶ街」でも、東京駅前の高層ビル街と、家の近くの八百屋や薬局が並ぶ商店街とでは、客がどこから来るかも家賃もまるで違いますよね。基準は、店や事務所の敷地として使うのが理にかなっている街並みを商業地域と呼び、そのうちにある土地を商業地と呼びます。基準はこれをその規模、構成の内容、機能等に応じてさらに細分できるとし、留意事項は高度・準高度・普通・近隣・郊外路線の五つを挙げています。五つの定義を読み比べると、客を集める範囲(商圏)の広さと、店や事務所がどれだけ密に建ち並んでいるか(集積の程度)で分かれていると読めます。同じ商業地でも、どの細分に当たるかで買い手も賃料の水準も変わるので、細分まで見て初めて比べる相手が定まります。

都心の高層ビル街から住宅街の商店街まで、商圏の広さと集積の程度で五つに分ける。
五つの定義は、商圏の広さと集積の程度で分かれていると読めます
基準は「規模、構成の内容、機能等に応じた細分化」とだけ書いて分け方の軸は示さず、留意事項の五つの定義を読み比べると商圏の広さと集積の程度で分かれていると読めます。高度商業地域は、大都市の都心や副都心にあって広域的商圏を有し、比較的大規模な中高層の店舗や事務所が高密度に集積している地域です。準高度商業地域はそれに次ぐ地域で、やはり広域的な商圏を持ち、店舗や事務所が連たんして集積の程度が高い地域です。近隣商業地域は主として近隣の居住者に日用品等を売る店舗が連たんする地域で、客の範囲が近所に限られます。郊外路線商業地域は都市の郊外の幹線道路沿いに店舗や営業所が連たんする地域で、定義は商圏の広さには触れず、幹線道路沿いという立地だけで書かれています。客がどこから来て、どれだけ密に店が集まるかで、賃料や地価の決まり方が違うので、この五つに分けて分析します。
普通商業地域は、他の四つに当たらない商業地域です
普通商業地域は、高度・準高度・近隣・郊外路線の四つ以外の商業地域であって、都市の中心商業地域及びこれに準ずる商業地域で、店舗や事務所が連たんし、多様な用途に供されている地域です。地方都市の駅前や中心商店街のように、店も事務所も飲食店も混じり合った街並みを思い浮かべてください。集積の高い上の二つと、客の範囲や立地に特色のある二つを先に取り分け、残った標準的な商業地域を普通と呼ぶので、除外の形で定義されています。

上の二つと特色のある二つを先に取り分け、残りが普通商業地域。
基準の商業地域は、都市計画法の用途地域とは別に判定します
都市計画法にも商業地域・近隣商業地域という用途地域がありますが、あちらは市町村が都市計画で指定し、その中に建てられる建物の用途や大きさを規制するための線です。基準の商業地域は、鑑定士が現実の土地の使われ方を見て判定する種別の分類です。目的が違うので、用途地域の色分けと種別の範囲が一致するとは限りません。用途地域は行政的要因の一つとして確かめ、種別は現地の実情から判定するという二段構えで見ます。
鑑定評価において代表的な宅地地域である住宅地域及び商業地域について、さらに細分化すると次のような分類が考えられる。
出典: 総論第2章
高度商業地域に次ぐ商業地域であって、広域的な商圏を有し、店舗、事務所等が連たんし、商業地としての集積の程度が高い地域
出典: 総論第2章 第1節
実務ではこう使う
現地では、店舗や事務所の規模と密度、客がどこから来るか、幹線道路沿いかどうかを見て五つの細分を判断します。同じ商業地でも高度商業地と近隣商業地では需要者も取引利回りも違うので、評価書の地域分析で細分まで書き、取引事例の選択に反映させます。
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