宅地地域とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
居住、商業活動、工業生産活動等の用に供される建物、構築物等の敷地の用に供されることが、自然的、社会的、経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域です。つまり、建物を建てて使うのが理にかなっている地域で、住宅地域・商業地域・工業地域等に細分されます。
宅地地域とは
町の外れへ歩いていくと、家や店が続く区間が終わり、畑が広がり、その先は山林になります。この「建物が続く区間」が宅地地域です。ただし、今建物が建っているかどうかで決めるのではありません。道路や水道が通っていて、法律上も建てられ、そこに家や店を構えたい人がいる、つまり建物の敷地として使うのが理にかなっているかどうかで判断します。だから、家がまだまばらでも、道路や水道が整い建築が続いている一帯は宅地地域と見ます。

道路と水道があり、建てる人がいるから、ここは宅地地域。
合理的かどうかは、四つの観点から判断します
基準の定義は、建物の敷地に使うことが「自然的、社会的、経済的及び行政的観点からみて合理的」な地域と言います。自然的観点は地盤や地形、日照など土地そのものの条件、社会的観点は人口や交通、生活様式、経済的観点は需要や産業の集まり、行政的観点は都市計画や建築の規制です。この四つは、総論第3章で価格形成要因の一般的要因を分ける四区分と同じ並びです。農地地域・林地地域の定義も、用途の部分だけが違い、四つの観点からみて合理的という骨組みは共通です。四つのうちどれか一つが欠けても、その土地に建物を建てるのが理にかなっているとは言えないので、観点は減らせません。

自然・社会・経済・行政の四つの観点から見て合理的なら宅地地域。
宅地地域は住宅地域・商業地域・工業地域等に細分されます
地域の種別はまず宅地地域・農地地域・林地地域等に分かれ、そのうち宅地地域は住宅地域・商業地域・工業地域等に細分される、という二段の組み立てです。住むための建物、商いのための建物、物を作るための建物では、土地に求めるものが違うからです。「等」とあるとおり三つに限りません。さらに住宅地域・商業地域・工業地域等は、その規模、構成の内容、機能等に応じて細かく分けることが考えられ、留意事項は住宅地域を四つ、商業地域を高度商業地域から郊外路線商業地域まで五つに例示しています。留意事項の例示は住宅地域と商業地域だけですが、工業地域も規模や構成の内容に応じて細分化することが考えられます。

住む・商う・作るで土地に求めるものが違うから、宅地地域の中も分ける。
移行の途中でも、土地の類型は宅地の類型で分けます
商業地域から住宅地域へ移行しつつある地域は、宅地地域の中で細分の間を動いているだけで、宅地地域から出るわけではありません。土地の種別としては移行地と呼びますが、宅地地域のうちにある土地であることに変わりはないので、その類型は有形的利用と権利関係の態様に応じて、更地・建付地・借地権・底地等の宅地の類型で分けます。地域が動いている途中だからといって、宅地の類型が使えなくなるわけではありません。
宅地地域とは、居住、商業活動、工業生産活動等の用に供される建物、構築物等の敷地の用に供されることが、自然的、社会的、経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域をいい、住宅地域、商業地域、工業地域等に細分される。
出典: 総論第2章 第1節
実務ではこう使う
現地調査では、建物の連たんや道路・上下水道の整備、用途地域の指定を見て、対象地の周りが建物の敷地として使われるのが合理的な地域かを確かめます。宅地地域と判定したら、住宅地域か商業地域か工業地域か、さらにどの細分かまで絞り、評価書の地域分析に書きます。細分が決まると、比べる取引事例の範囲と、価格に効く要因の中身が定まります。
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