/ 鑑定理論

農地地域とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説

農業生産活動のうち耕作の用に供されることが、自然的、社会的、経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域です。つまり田や畑として作物を育て続けるのが理にかなっている土地のまとまりのことで、そのうちにある土地が農地です。

農地地域とは

車で郊外へ出ると、家並みが途切れて田んぼや畑が見渡す限り広がる場所に出ますよね。用水が引けて日当たりがよく(自然的)、農家が集まって農道や農協が整い(社会的)、作物を売って暮らしが立ち(経済的)、農地法や農業振興地域の制度で宅地への転用が抑えられている(行政的)、という四つの面から見て、そこで作物を作り続けるのが理にかなっていると判断できる土地のまとまりが農地地域です。宅地地域・林地地域と並ぶ地域の種別の一つで、農地地域のうちにある土地が農地です。

農地地域の図解:水と日当たり、農家の集落、出荷、転用の規制。四つの面から耕作が合理的なら農地地域。

水と日当たり、農家の集落、出荷、転用の規制。四つの面から耕作が合理的なら農地地域。

農業生産活動のうち、耕作の用に絞って定義しています

農業生産活動には、牛舎や鶏舎の中で行う畜産のように、土地を耕さない営みも含まれます。基準はそのうち、田や畑として土地そのものを耕して作物を育てる使い方(耕作の用)だけを農地地域の中身にしています。種別は土地の使われ方で分ける分類なので、土地を耕すことに絞って初めて、建物の敷地として使う宅地地域と線が引けるからです。林地地域が林業生産活動のうち木竹又は特用林産物の生育の用に絞られているのも、同じ考え方です。

合理的かどうかは、四つの観点から判断します

耕作の用に供されることが合理的かどうかは、自然的、社会的、経済的及び行政的の四つの観点から判断します。地味や水利や気候が作物に向くか、農家の集落や農道や出荷の仕組みが整っているか、作物の売上で農業が成り立つか、転用の規制や農業振興の施策がどう働いているか、という四つです。土地の使われ方は自然の条件だけで決まらず、人の営みと規制で決まるので、四つを合わせて見ます。この四つは宅地地域・林地地域の定義にも共通で、総論第3章の一般的要因の区分と同じ並びです。

農家の集落は、農地地域ではなく住宅地域の側です

田畑の間に農家の住宅が集まる集落は、農地地域には入りません。集落は農家住宅という建物の敷地として使われる土地なので、宅地地域のうちの住宅地域に当たり、留意事項は住宅地域の細分の四つ目に、在来の農家住宅等を主とする集落地域を掲げています。耕す土地が農地地域で、耕す人が住む家の敷地は住宅地域という分け方です。同じ農家の暮らしの中にあっても、土地の使われ方が違えば種別は分かれます。

農地地域の図解:耕す土地は農地地域、耕す人が住む集落は住宅地域。

耕す土地は農地地域、耕す人が住む集落は住宅地域。

農地は農地地域の細分に応じて細分され、転換の途中は見込地です

農地とは農地地域のうちにある土地で、地域の種別の細分に応じてさらに細分することができます。田の広がる地域と畑の広がる地域を分ければ、土地も田と畑に分かれます。市街地に近く、家が建ち始めて宅地地域へ転換しつつある地域は、農地地域と宅地地域の間にあり、そのうちにある土地は宅地見込地と呼びます。今の姿が畑でも、周りの街並みが変わりつつあるなら、種別はその移り変わりまで見て判定します。

農地地域とは、農業生産活動のうち耕作の用に供されることが、自然的、社会的、経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域をいう。

出典: 総論第2章 第1節

実務ではこう使う

農地の評価では、水利や日照といった自然的条件に加えて、農業振興地域の指定や転用の規制という行政的条件を確かめ、耕作の用に供されるのが合理的な地域かを判定します。市街地に近く宅地化が進みつつある場所なら、農地地域ではなく宅地見込地の側で考えることになります。

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