価格時点とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
不動産の価格の判定の基準日で、価格形成要因が時の経過により変動するため、不動産の価格はこの日においてのみ妥当します。つまり、評価額に付く「いつの値段か」の日付です。
価格時点とは
同じマンションでも、去年の値段と今年の値段は違います。金利が上がり、駅前に商業施設ができ、周りの取引も動くからです。だから不動産の値段には「いつの」が付いて初めて意味があります。鑑定評価では最初に「この日の値段を出す」と日付を決め、その日を価格時点と呼びます。依頼書の日付でも、現地に行った日でもなく、依頼目的に応じて決める日です。

金利も街も変わるから、値段はその日にだけ通用する。
価格はその日にだけ妥当するので、基準日を確定します
価格形成要因は時の経過により変動するので、不動産の価格はその判定の基準となった日においてのみ妥当します。基準はここから「不動産の価格の判定の基準日を確定する必要があり、この日を価格時点という」と続けます。土台にあるのは、不動産の属する地域も価格形成要因も絶えず動いているという変動の原則です。価格時点は、対象不動産、価格又は賃料の種類と並ぶ基本的事項の一つで、これを決めずに始める鑑定評価はありません。基準日のない値段は「いつの値段か」が分からず、鑑定評価として成り立たないからです。
現在・過去・将来の区分は、鑑定評価を行った年月日で決めます
価格時点は、鑑定評価を行った年月日を基準として、現在の場合(現在時点)、過去の場合(過去時点)、将来の場合(将来時点)に分けられます。基準になるのは鑑定評価を行った年月日、つまり価格の判定作業をした日です。評価書の発行日や実地調査を行った日は、作業の前後にある別の日付で、区分の基準ではありません。総論第9章も、価格時点と鑑定評価を行った年月日を報告書に別々に記載させています。

三通の依頼を分けるのは、鑑定評価を行った日より前か、同じか、後か。
土地と建物を合わせた不動産でも、価格時点は一つです
土地と建物からなる複合不動産を評価するときも、求めるのはその不動産の一つの価格です。だから判定の基準日も一つで、土地と建物に別々の価格時点を置く定めは基準にも留意事項にもありません。土地は4月1日、建物は6月1日の値段を足すと、違う日の価値を合わせた数字になり、価格がその日においてのみ妥当するという前提が崩れます。

土地と建物を合わせて一つの値段を出すから、基準日も一つ。
賃料の価格時点は、算定期間の期首です
賃料は「これから始まる期間」の使用の対価なので、賃料の価格時点は、賃料の算定の期間の収益性を反映するものとしてその期間の期首となります。支払いが月末でも変わりません。継続賃料を求めるときは、価格時点を現在に置いても、直近合意時点など過去の日の対象不動産の価格が要ることがあります。賃料の価格時点の細かい扱いは「賃料の価格時点」の頁で整理しています。
したがって、不動産の鑑定評価を行うに当たっては、不動産の価格の判定の基準日を確定する必要があり、この日を価格時点という。
出典: 総論第5章 第2節
実務ではこう使う
依頼を受けたら「いつの時点の価格が欲しいか」を最初に確かめ、依頼契約と評価書に価格時点を書きます。実地調査日や評価書の発行日と価格時点は別の日付として管理し、時点修正や資料の収集はすべて価格時点を基準に組み立てます。土地と建物を一体で評価する案件でも、価格時点の欄は一つです。
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