工事完了の公告とは?都市計画法での意味を図でわかりやすく解説
開発行為の工事が完了し、都道府県知事の検査で開発許可の内容に適合すると認められて検査済証が交付されたあと、知事が工事の完了を公に知らせる手続です。つまり、造成地が「工事中の土地」から「建物を建ててよい宅地」に変わる日を、法律の上で確定させる節目です。
工事完了の公告とは
造成中の分譲地は、道路も下水道もまだ工事の途中で、そこに家を建てると危ないうえ、あとで道路の位置が変わるかもしれません。そこで開発許可を受けた人は、工事が終わったら知事に届け出て、知事が図面どおりにできているかを検査し、検査済証を交付し、そのうえで工事が完了したことを公告します。公告の前は原則として建物を建てられません。公告の日の翌日に新しい道路や公園が市町村の管理に移り、公告の後は予定していた建物以外を建てられなくなります。買った区画に家を建てて住み始められるのも、公告のあとです。

届出、検査、検査済証、公告の順で、造成地が宅地になる。
届出を受けた知事が検査し、検査済証を交付してから公告します
開発許可を受けた者は、開発区域(工区に分けたときは工区)の全部について工事を完了したときに、知事に届け出ます。知事は遅滞なく、工事が開発許可の内容に適合しているかを検査し、適合していれば検査済証を交付し、交付したら遅滞なく公告します。公共施設に関する工事の部分は、それだけでも届出と検査済証の対象になるので、全体が終わるのを待たなくてよいことになっています。公告は、開発区域の地域の名称と許可を受けた者の住所・氏名を明示して、知事の定める方法で行います。
公告の前は、原則として建築物を建てられません
公告があるまでの間は、開発区域内の土地に建築物を建築し、特定工作物を建設してはなりません。工事の途中で建物が建つと造成の検査ができず、道路や排水の計画も狂うからです。例外は二つで、工事用の仮設建築物を建てるときその他知事が支障がないと認めたときと、開発行為に同意していない者がその権利の行使として建築するときです。同意していない権利者はもともと開発に加わっていないので、造成の完成を待たされる筋合いがありません。

公告の前に建ててよいのは、工事用の仮設と、同意していない権利者だけ。
公告の日の翌日に、公共施設は市町村の管理へ移ります
開発でできた道路や公園は、公告の日の翌日に、その公共施設の存する市町村の管理に属します。開発した事業者が私道として持ち続けるのではなく、公の施設として市町村が引き取る仕組みです。基準の日は工事が完了した日でも検査の日でもなく、公告の日の翌日です。従前の公共施設に代えて新しい公共施設ができた場合は、同じ日に、古い施設の土地は開発許可を受けた者に、新しい施設の土地は国や地方公共団体に帰属します。
公告の後は、予定していた建築物以外を建てられません
公告の後は、開発許可に係る予定建築物等以外の建築物を新築してはならず、改築や用途変更で予定外の建物にすることもできません。開発許可は「この用途の建物を建てる」という前提で審査しているので、できあがった後に別の建物が建っては審査の意味が無くなるからです。例外は、知事が利便の増進上または環境の保全上支障がないと認めて許可したときと、その土地に用途地域等が定められているときです。用途地域があれば建築基準法の用途規制が働くので、開発許可の側で縛る必要が無くなります。

公告の後は、許可のときに予定した建物しか建てられない。
都道府県知事は、前項の規定により検査済証を交付したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、当該工事が完了した旨を公告しなければならない。
出典: 都市計画法 36条3項
実務ではこう使う
造成中の土地は公告が出るまで建物を建てられないので、価格時点が公告の前か後かで、宅地として評価できるかが変わります。完了検査の合格は開発登録簿に附記されるので、その写しで公告の有無を確かめます。公告の後は予定建築物の用途に縛られるため、最有効使用の判定でもこの制限を織り込みます。
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