効用とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
効用とは、その不動産に対してわれわれが認める、望みを満たす力のことです。つまり、住みたい・店を開きたいという目的に、その不動産がどれだけ役に立つかです。
効用とは
駅に近く、日当たりがよく、間取りが使いやすい家は、多くの人が「住みたい」と思います。この「住みたい」「店を開きたい」「作物を育てたい」という望みを、その不動産がどれだけ満たしてくれるかが効用です。基準は、われわれが認める効用、相対的稀少性、有効需要の三者の相関結合によって生ずる経済価値を貨幣額で表したものが不動産の価格だ、と書きます。効用はその一つ目で、価格が生まれる出発点です。

住みたいという望みを満たす力を人が認めるから、効用がある。
効用は、土地の性質ではなく、われわれが認めるものです
基準は「その不動産に対してわれわれが認める効用」とだけ書き、土地の側の有用性と人が認める効用の違いを説明してはいません。ただ、同じ節で土地は「その持つ有用性の故に」生活と活動の基盤だとも書くので、土地が役に立つ力(有用性)を持ち、人がその土地を生活や活動に役立てようと認めたときにそれが効用になる、と読めます。同じ湿地でも、埋め立てて宅地にできる時代になれば効用が認められます。効用の大きさは土地だけを見ても決まらず、人との関係で決まります。

土地は同じでも、人が役立てようと認めてはじめて効用になる。
三者がそろって、はじめて経済価値になります
役に立つだけなら、空気や海の水にも当てはまりますが、価格は付きません。欲しい人に比べて足りないという相対的稀少性と、実際に買える人がいるという有効需要が無いからです。基準が三者の「相関結合」と書くのは、三つが互いに結び付いて初めて経済価値が生まれ、一つでも欠ければ価格にならないという意味です。効用が大きくても、誰もが好きなだけ手に入るものや、買える人がいないものには、価格は生まれません。

効用だけでは価格にならず、稀少性と有効需要がそろって価格になる。
価格形成要因は、この三者に影響を与える要因です
総論第3章は、価格形成要因を「不動産の効用及び相対的稀少性並びに不動産に対する有効需要の三者に影響を与える要因」と定めます。第1章で価格を生む三つの要素を挙げ、第3章でその三つを動かすものに名前を付ける、という順番です。三者を動かすのは自然的、社会的、経済的及び行政的な要因の相互作用だ、と第1章も書いています。駅の新設で「住みたい」人が増えるのは、要因が効用を動かした一つの姿です。
不動産の価格は、一般に、その不動産に対してわれわれが認める効用、その不動産の相対的稀少性及びその不動産に対する有効需要の三者の相関結合によって生ずる不動産の経済価値を、貨幣額をもって表示したものである。
出典: 総論第1章 第1節
実務ではこう使う
現地で間取りや日照、道路付けを見るのは、その不動産が誰のどんな望みに応えられるかを確かめる作業です。個別分析で最有効使用を判定するのも、効用を最も大きく発揮する使い方を選ぶことです。効用の小さい不動産は、いくら土地が足りない地域でも高い価格にはなりません。
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