/ 鑑定理論

二面性とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説

二面性とは、不動産の価格が、自然的、社会的、経済的及び行政的な要因の影響の下にあると同時に、選択指標としてこれらの要因に影響を与える、という関係です。つまり、要因が価格を動かし、価格もまた人の選択を通じて要因を動かします。

二面性とは

駅が新しくできると、まわりの地価は上がります。これは、要因が価格を動かした一つ目の面です。上がった地価を見て、農家が畑をやめてアパートを建てると、今度は地域の使われ方そのものが変わります。人は価格を見て土地の使い方を選ぶので、これは価格が要因を動かした二つ目の面です。この行きと帰りの二つの面を合わせて、基準は二面性と呼びます。

二面性の図解:高速道路の開通が価格を動かし、価格を見て人が動いて要因が変わる。

高速道路の開通が価格を動かし、価格を見て人が動いて要因が変わる。

要因は、自然的、社会的、経済的及び行政的の四つです

基準は、不動産のあり方が「自然的、社会的、経済的及び行政的な要因の相互作用によって決定される」とし、不動産の経済価値もこの四つの要因の相互作用で決まる、と書きます。自然的とは地形や日当たり、社会的とは人口や世帯、経済的とは金利や所得、行政的とは用途地域や税制のことです。四つは別々に働くのではなく、互いに絡み合って一つの価格を作ります。総論第3章の一般的要因も、この四つの区分で整理されています。

受ける面と与える面がそろって、二面性になります

一面目は、価格が要因の影響の下にあるという面です。金利が下がれば買いやすくなって価格が上がり、用途地域が変われば建てられる物が変わって価格が動きます。二面目は、価格が選択指標として要因に影響を与える面です。地価が上がれば人は畑を宅地に変え、店を出す場所を選び直し、その積み重ねが地域の姿や需給という要因を変えていきます。基準はこの両面を「影響の下にあると同時に選択指標として影響を与える」と一文に書いています。

不動産のあり方は、価格を選択の主要な指標として決まります

基準は、不動産のあり方が「その不動産の経済価値を具体的に表している価格を選択の主要な指標として決定されている」と書きます。土地をどう使うかを人が選ぶとき、頼りにする目印が価格です。土地には用途の多様性という人文的特性があり、一つの土地に駐車場・アパート・店舗といった複数の用途が競合します。どの用途を選ぶかは、それぞれの用途を前提にした価格を比べて決まります。第1節の二面性と第2節の人文的特性は、この一点でつながっています。

二面性の図解:どう使うかは価格を見て選ぶから、価格が選択の主要な指標。

どう使うかは価格を見て選ぶから、価格が選択の主要な指標。

不動産の価格とこれらの要因との関係は、不動産の価格が、これらの要因の影響の下にあると同時に選択指標としてこれらの要因に影響を与えるという二面性を持つものである。

出典: 総論第1章 第1節

実務ではこう使う

評価書の一般的要因の分析では、金利や人口の動きが対象不動産の価格をどう動かすかを書きます。同時に、周辺の地価の上昇が建て替えや用途の転換を呼び、地域の様子を変えていく流れも見ます。価格を結果としてだけでなく、次の変化を起こす原因としても読むのが、二面性の実務です。

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