相対的稀少性とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
相対的稀少性とは、その不動産を欲しい人の数に比べて、その不動産が足りないことです。効用・有効需要と並ぶ、価格を生む三者の一つです。
相対的稀少性とは
都心の駅前の土地は、面積で見ればほんのわずかですが、住みたい人、店を出したい人が集まるので、いつも足りません。反対に、山あいの広い土地は、いくら面積があっても欲しい人がいなければ余っています。この「欲しい人の数に比べて足りない」ことが相対的稀少性で、足りないから、手に入れるには対価を払わなければなりません。基準は、効用、相対的稀少性、有効需要の三者の相関結合で生ずる経済価値を貨幣額で表したものが不動産の価格だ、と定めています。

面積ではなく、欲しい人との比べ合いで足りないかどうかが決まる。
「相対的」とは、欲しい人との関係で足りないという意味です
土地の面積が小さいかどうかではなく、欲しい人の数に対して足りないかどうかで決まります。基準が「その不動産の相対的稀少性」と書くのは、不動産ごとに、その不動産を求める人との関係で見るからです。同じ100坪でも、住みたい人が集まる地域では足りず、人が減っている地域では余ります。足りない度合いが強いほど、価格は高くなります。
欲しい人が増えても、土地は増やせません
工業製品なら、欲しい人が増えれば工場で増産できるので、足りない状態は長く続きません。土地は新しく作って増やすことができず、基準はこれを自然的特性の一つ、不増性と呼びます。増やせないので、欲しい人が増えるほど稀少性は強まったままです。ただし不増性は土地の総量が増えないという土地の側の性質で、相対的稀少性はその土地を欲しい人の数と比べたときの足りなさです。欲しい人がいない地域では、土地が増えなくても稀少性は弱いままです。

埋立てで土地が少し生まれても、欲しい人の列には遠く足りない。
足りないだけでは価格にならず、三者がそろって価格になります
誰も欲しがらない物は、数が少なくても稀少とは言えません。役に立つという効用があってはじめて、足りないことに意味が出ます。さらに、実際に買える人がいるという有効需要がそろって、はじめて経済価値になります。基準が三者の「相関結合」と書くのはこの意味で、総論第3章の価格形成要因の定義も、この同じ三者に影響を与える要因、と書きます。
不動産の価格は、一般に、その不動産に対してわれわれが認める効用、その不動産の相対的稀少性及びその不動産に対する有効需要の三者の相関結合によって生ずる不動産の経済価値を、貨幣額をもって表示したものである。
出典: 総論第1章 第1節
実務ではこう使う
地域分析では、その用途の土地の供給がどれだけ限られているかを、開発の余地や空き地の量から読み取ります。同じ効用を持つ土地でも、供給の細い地域では価格が上がり、供給の厚い地域では上がりません。分譲地が売れ残っている地域で高い価格を付ければ、稀少性の読み違いです。
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