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マンション敷地売却決議とは?マンションの建替え等の円滑化に関する法律での意味を図でわかりやすく解説

特定要除却認定を受けたマンションで、区分所有者集会が区分所有者、議決権、敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上の多数で、マンションとその敷地を売却すると決める決議です(108条)。つまり、建て替えずに建物と土地をまとめて売り、代金を分け合うことを選ぶ決議です。

マンション敷地売却決議とは

耐震性の不足などで危ないと認定されたマンションでも、住民に建替えの資金や体力が無いことがあります。そのようなとき、建物と敷地をまとめて買受人に売り、代金を分配して解散する道を選べるようにしたのがマンション敷地売却決議です(108条1項)。区分所有法の建替え決議とは別に、この法律が特定要除却認定を前提に売却のための決議を用意しました。決議に賛成した人たちが売却合意者となり、マンション敷地売却組合を作って事業を進めます。

マンション敷地売却決議の図解:危ないと認定されたマンションを、建て替えずに売って分ける決議。

危ないと認定されたマンションを、建て替えずに売って分ける決議。

前提は特定要除却認定で、耐震・火災・外壁剝落のどれかです

マンションの管理者等は、特定行政庁に対し、そのマンションを除却する必要がある旨の認定を申請できます(102条1項)。認定の事由は、地震に対する安全性の不足、火災に対する安全性の不足、外壁等が剝離して落下するおそれ、配管設備の劣化による衛生上の有害、バリアフリー基準への不適合の五つです(102条2項)。このうち最初の三つに係る認定が特定要除却認定と呼ばれ、マンション敷地売却決議ができるのは特定要除却認定を受けた場合に限られます(106条・108条1項)。命に関わる危険があるときだけ、売却という重い選択を多数決で決められるようにしたものです。

マンション敷地売却決議の図解:五つの認定のうち、命に関わる三つが特定要除却認定。

五つの認定のうち、命に関わる三つが特定要除却認定。

多数決は区分所有者・議決権・持分の価格の各5分の4以上です

特定要除却認定マンションの敷地利用権が数人で有する所有権または借地権であるときは、区分所有者集会において、区分所有者、議決権および敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上の多数で売却の決議ができます(108条1項)。区分所有法の建替え決議は区分所有者と議決権の各5分の4以上ですが、敷地売却は土地そのものを手放すので、敷地利用権の持分の価格が三つ目の要件として加わります。集会の招集通知は会日の2月前までに発し、1月前までに説明会を開きます(108条5項・7項)。

決議で定めるのは買受人、代金の見込額、分配金の額の算定方法です

決議では、買受人となるべき者の氏名または名称、売却による代金の見込額、売却によって各区分所有者が取得できる金銭(分配金)の額の算定方法に関する事項を定めます(108条2項)。決議の時点では代金が確定していないので、各人の金額そのものではなく計算のルールを決め、各区分所有者の衡平を害しないように定めます(108条4項)。買受人は買受計画の認定を受けた者でなければなりません(108条3項)。決議の内容により売却を行う合意をしたとみなされた者と後から同意した者が売却合意者となり、5人以上共同して組合を設立できます(120条1項)。

マンション敷地売却決議の図解:決めるのは金額ではなく、分配金の計算のルール。

決めるのは金額ではなく、分配金の計算のルール。

特定要除却認定を受けた場合において、特定要除却認定マンションに係る敷地利用権が数人で有する所有権又は借地権であるときは、区分所有者集会において、区分所有者、議決権及び当該敷地利用権の持分の価格の各五分の四以上の多数で、当該特定要除却認定マンション及びその敷地(…)を売却する旨の決議(以下「マンション敷地売却決議」という。)をすることができる。

出典: マンションの建替え等の円滑化に関する法律 108条1項

実務ではこう使う

敷地売却では、買受人が提示する代金の見込額と各戸への分配金の算定方法が争点になり、鑑定士が建物と敷地の一体としての価値、各専有部分の効用比を評価します。売却後は買受人が除却して土地を再利用するため、更地としての最有効使用を前提とした土地価格が代金の基礎です。買受計画の認定申請でも、代替住宅の提供と資金計画の妥当性を裏付ける評価が使われます。

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