マンション敷地売却組合とは?マンションの建替え等の円滑化に関する法律での意味を図でわかりやすく解説
マンション敷地売却合意者が5人以上共同して定款と資金計画を定め、都道府県知事等の認可を受けて設立する法人で、マンション敷地売却事業を実施します(116条・120条)。つまり、売却に賛成した住民が、建物と土地を組合の名前で買受人に売り、代金を分配するために作る組織です。
マンション敷地売却組合とは
マンション敷地売却決議が成立しても、何十人もの区分所有者が一人ずつ買受人と契約するのでは事業が進みません。そこで売却合意者が法人格を持つ組合を作り、権利消滅期日に建物と敷地を組合に帰属させたうえで、組合が買受人に売却し、組合員に分配金を支払います(116条・117条)。これがマンション敷地売却組合です。建替組合と骨格はよく似ていますが、事業計画の代わりに資金計画を定め、権利変換計画の代わりに分配金取得計画を定め、役員の任期も短くなっています。

売却に賛成した住民が組合を作り、建物と土地をまとめて売る。
設立は売却合意者5人以上で、同意は各4分の3以上です
マンション敷地売却合意者は、5人以上共同して定款と資金計画を定め、都道府県知事等の認可を受けて組合を設立できます(120条1項)。認可を申請する合意者は、組合の設立について合意者の4分の3以上の同意を得なければならず、同意した者の議決権の合計と敷地利用権の持分の価格の合計も、それぞれ4分の3以上でなければなりません(120条2項)。建替組合の設立の同意も合意者の4分の3以上で数字は共通ですが、敷地売却では持分の価格の要件が加わります。売却の決議そのものが各5分の4以上、その賛成者の中での組合設立の同意が各4分の3以上、という二段です。
役員は理事3人以上と監事2人以上で、任期は1年以内です
組合には役員として理事3人以上と監事2人以上を置き、理事長1人を理事の互選で定めます(126条1項・2項)。役員の資格や任期は建替組合の規定を準用しますが、任期は「3年」を「1年」と読み替えます(126条3項)。建替えは工事を伴って年単位で進むのに対し、敷地売却は売って分配するだけで短く終わるので、任期も短くなっています。審査委員は建替組合と同じく3人以上を総会で選任します(136条)。

人数は同じ、任期だけ違う。建替えは3年、敷地売却は1年。
権利消滅期日に建物と敷地は組合に帰属し、分配金は期日までです
組合は設立認可の公告後、遅滞なく分配金取得計画を定めて認可を受け、その計画に権利消滅期日を書きます(141条・142条)。権利消滅期日に、売却マンションは組合に帰属して区分所有の建物でなくなり、敷地利用権も組合に帰属し、それらを目的とする他の権利は消滅します(149条)。組合は期日後遅滞なく必要な登記を申請し、組合員には期日までに分配金を支払います(150条1項・151条)。経費の分担に関して定款や資金計画を変更するときに借入金があれば、その債権者の同意が要ります(134条3項)。

期日に組合へ帰属、期日までに分配金、期日後すぐ登記。
…マンション敷地売却決議の内容によりマンション敷地売却を行う旨の合意をしたものとみなされた者(…以下「マンション敷地売却合意者」という。)は、五人以上共同して、定款及び資金計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けて組合を設立することができる。
出典: マンションの建替え等の円滑化に関する法律 120条1項
実務ではこう使う
敷地売却組合の事業では、買受人への売却価格と各組合員への分配金が評価の対象です。売却価格は除却後の土地の最有効使用を前提とした更地価格から解体費や仮住まいの費用を差し引いて検討し、分配金は決議で定めた算定方法に従って専有部分ごとに配分します。借家人など権利を失う者への補償金の算定にも、認可公告の日を価格時点とした評価が要ります。
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