都市計画区域の整備、開発及び保全の方針とは?都市計画法での意味を図でわかりやすく解説
都市計画区域ごとに、都市計画として都道府県が定める、その区域の整備、開発及び保全の大もとの方針です。つまり、区域を一体の都市としてどう育て、どう守るかを先に決めておく計画で、用途地域や都市施設など他の都市計画はすべてこれに即して定めます。
都市計画区域の整備、開発及び保全の方針とは
家を建てるとき、間取りより先に「どんな暮らしをしたいか」を決めるように、街づくりにも先に決めておく大きな方針があります。都市計画区域を一つの都市として、これからどこを住宅地として整え、どこを開発し、どこを緑として守るのか。その全体像を都道府県が都市計画として定めたものが、この方針です。役所や実務では都市計画区域マスタープランと呼ばれ、線引きをするかどうかも、この方針の中で決めます。

区域全体の方針を先に一枚で決めるから、あとの都市計画がぶれない。
都市計画区域には必ず定め、定めるのは都道府県です
都市計画区域を指定すると、その区域について都市計画に、整備、開発及び保全の方針を定めるものとされています。任意ではなく、区域があれば必ず定めます。定めるのは都道府県で、区域区分に関する都市計画と並んで、都道府県が定める都市計画の筆頭に挙げられています。区域全体を一つの都市として見渡す計画なので、一つの市町村の手には余るからです。準都市計画区域は乱れを防ぐための区域で、育てる方針を必要としないため、この方針を定める規定がありません。
区域区分の有無は必ず定め、目標と主要な方針は努めます
方針に書く事項は三つあります。一つ目は、区域区分を定めるかどうか、定めるならその方針で、これは「定めるものとする」と必ず書きます。線引きをするかしないかで、開発許可の規模や市街地開発事業の可否など、区域の中の他の都市計画の前提が変わるからです。二つ目の都市計画の目標と、三つ目の土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定の方針は、「定めるよう努める」と努力義務にとどめています。

必ず書くのは区域区分の有無、目標と主要な方針は努める。
一体の都市として整備し、開発し、保全するように定めます
方針を定めるときの基準は、都市の発展の動向や人口・産業の現状と将来の見通しを勘案し、都市計画区域を一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全することを目途とすることです。区域全体をひとまとまりの都市として見る、という区域指定の考え方をそのまま引き継いでいます。区域区分の基準である「産業活動の利便と居住環境の保全との調和を図りつつ、国土の合理的利用を確保し、効率的な公共投資を行う」とは別の文言で、そちらは区域の中を二つに分ける場面の基準です。
市町村の方針はこれに即し、住民の提案の対象にはなりません
市町村が定める都市計画に関する基本的な方針(市町村マスタープラン)は、議会の議決を経た基本構想と、この方針に即して定めます。県の方針が上、市町村の方針がその下という順番です。また、土地所有者などが都市計画の決定や変更を提案できる制度がありますが、この方針と都市再開発方針等は対象から除かれています。区域全体を広域の見地から決める計画なので、一団の土地の持ち主の提案で決める性質のものではないからです。

県の方針が上、市町村の方針が下。方針そのものは提案の対象にならない。
都市計画区域については、都市計画に、当該都市計画区域の整備、開発及び保全の方針を定めるものとする。/都市計画区域の整備、開発及び保全の方針には、第一号に掲げる事項を定めるものとするとともに、第二号及び第三号に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。一 区域区分の決定の有無及び当該区域区分を定めるときはその方針 二 都市計画の目標 三 土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定の方針
出典: 都市計画法 6条の2第1項・第2項
実務ではこう使う
地域分析で将来の土地利用の見通しを読むときに、最初に開く資料です。都道府県のウェブサイトに都市計画区域マスタープランとして公表されており、線引きの方針、拠点の配置、都市施設の整備方針が書かれています。市町村マスタープランと合わせて読み、対象地域の将来の見通しを評価書の地域分析に反映させます。
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