市民緑地とは?都市緑地法での意味を図でわかりやすく解説
地方公共団体又は緑地保全・緑化推進法人が、土地等の所有者と市民緑地契約を締結して、その土地等に設置し管理する、住民の利用に供する緑地又は緑化施設です。つまり、所有者が土地を手放さずに一定期間貸し、役所や指定法人が公園のように住民に開放する仕組みです。
市民緑地とは
街の中に、持ち主が高齢で手入れしきれない屋敷林や、使う予定のない空き地があります。売って宅地にすれば緑は消えますが、持ち続けるだけでは住民は入れません。そこで、所有者が土地を手放さずに地方公共団体や指定を受けた法人に一定期間貸し、園路やベンチを整えて住民に開放してもらうのが市民緑地です。対象は都市計画区域又は準都市計画区域内の300平方メートル以上の土地等で、契約による管理期間は5年以上です。緑化地域や緑化重点地区では、民間の事業者が自分で計画を作り、市町村長の認定を受けて設置・管理する認定市民緑地の制度もあります。

所有者が土地を手放さずに5年以上貸し、役所や指定法人が住民に開放する。
契約を結ぶのは地方公共団体か緑地保全・緑化推進法人です
55条1項は、地方公共団体又は緑地保全・緑化推進法人が、都市計画区域又は準都市計画区域内の政令で定める規模以上の土地等の所有者の申出に基づき、市民緑地契約を締結して、住民の利用に供する緑地又は緑化施設を設置し管理することができると定めています。規模は施行令で300平方メートルです。土地等には人工地盤や建築物も含まれるので、ビルの屋上庭園でも市民緑地にできます。管理期間は1年以上で国土交通省令で定める期間以上とされ、省令で5年です(55条4項)。条文に理由は書いていませんが、短い期間では園路やベンチを整える意味が薄いので、下限を置いていると考えられます。契約を結んだら公告し、市民緑地の区域である旨を区域内に明示します(55条9項)。
民間が設置する認定市民緑地は、緑化地域か緑化重点地区の中だけです
60条1項は、緑化地域又は基本計画で定めた緑化重点地区(緑化地域以外の区域で重点的に緑化の推進に配慮を加えるべき地区)内の土地等に市民緑地を設置し管理しようとする者は、市民緑地設置管理計画を作成して市町村長の認定を申請することができると定めています。申請できる者に限定はなく、民間の事業者でも構いません。対象を緑化の区域に限っている理由は条文に書いていませんが、この制度は緑の足りない市街地に民間の力で緑を増やすためのものと読めます。緑地保全地域や特別緑地保全地区のように今ある緑を守る区域では、この認定ではなく、地方公共団体等が結ぶ市民緑地契約や管理協定を使います。

認定市民緑地の申請は緑化地域か緑化重点地区の中だけ。認定するのは市町村長。
認定の基準は、周辺の緑地不足、面積、緑化施設の割合、期間です
61条1項は、市町村長が認定できる基準を並べています。1号は、市民緑地を設置する土地等の区域の周辺の地域において、良好な都市環境の形成に必要な緑地が不足していることです。続いて、区域の面積が国土交通省令で定める規模以上(省令で300平方メートル)、緑化施設の面積の割合が省令で定める割合以上(10分の2)、管理期間が1年以上で省令で定める期間以上(5年)、計画を遂行する経済的基礎と能力が十分であることなどが挙がります。周辺の緑地不足が1号に置かれているのは、緑が足りない場所に作らせるという制度の目的に沿ったものと読めます。認定したときは市町村長が公告します(61条5項)。

認定の基準は、周りに緑が足りないこと、300平方メートル以上、緑化施設10分の2以上、5年以上。
地方公共団体又は第八十一条第一項の規定により指定された緑地保全・緑化推進法人(…)は、良好な都市環境の形成を図るため、都市計画区域又は準都市計画区域内における政令で定める規模以上の土地又は人工地盤、建築物その他の工作物(以下「土地等」という。)の所有者の申出に基づき、当該土地等の所有者と次に掲げる事項を定めた契約(以下「市民緑地契約」という。)を締結して、当該土地等に住民の利用に供する緑地又は緑化施設(…)を設置し、これらの緑地又は緑化施設(以下「市民緑地」という。)を管理することができる。
出典: 都市緑地法 55条1項
実務ではこう使う
市民緑地契約が結ばれた土地は、契約期間中は所有者が自由に使えず、期間満了までは公園として開放されるので、評価では契約の残存期間と解約の条件を確かめ、使用収益の制約を反映します。相続税の評価で減額の特例があることも、依頼者への説明事項です。認定市民緑地は民間が運営するので、事業の継続性と認定の取消し(65条)の可能性も権利関係の項目で見ます。
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