登録投資法人とは?投資信託及び投資法人に関する法律での意味を図でわかりやすく解説
内閣総理大臣の登録を受けた投資法人です(2条13項・187条)。つまり、金融庁の名簿に載って初めて不動産や有価証券の売買・貸借を運用として行えるようになった投資法人で、運用と保管は外の専門会社に委託する義務を負います。
登録投資法人とは
投資法人は、設立の登記をしただけでは、まだ不動産を買ったり貸したりできません。どの資産運用会社に運用を任せ、どの資産保管会社に財産を預けるかを書いた登録申請書を内閣総理大臣に出し、登録を受けてはじめて運用を始められます(187条・188条)。この登録を受けた投資法人を登録投資法人と呼びます(2条13項)。運転免許を取ってから車に乗るのと同じで、投資家のお金を動かす前に、監督官庁が体制を確かめる仕組みです。この法律で「登録投資法人は」と始まる条文は、運用を始めた後の義務を定めています。

運用を始める前に、内閣総理大臣の登録。申請書には運用会社と保管会社の名前。
運用は資産運用会社に、保管は資産保管会社に委託します
登録投資法人は、資産運用会社にその資産の運用に係る業務を委託しなければなりません(198条1項)。資産の保管に係る業務は、資産保管会社に委託しなければなりません(208条1項)。どちらも「できる」ではなく義務で、投資法人自身は使用人を雇えないので、運用も保管も外の専門会社が担います。運用を決める会社と財産を預かる会社を別にしておけば、運用会社が投資法人の財産を勝手に動かすことができません。運用の委託契約は投資主総会の承認を得なければ効力を生じません(198条2項)。
監督役員と利害関係のある金融商品取引業者には委託できません
登録投資法人は、自分の監督役員をその役員や使用人としている(していた)金融商品取引業者や、監督役員に継続的な報酬を与えている金融商品取引業者に、資産の運用に係る業務を委託してはなりません(200条)。監督役員は、執行役員の職務の執行を監督する役員で、資産運用会社の仕事ぶりを投資主の側から見張る立場です。見張る人が見張られる会社から給料をもらっていては監督になりません。委託の後にこの関係が生じたときは、投資法人はその委託契約を解約しなければなりません(207条1項2号)。執行役員についてはこの縛りはなく、実際にも執行役員が資産運用会社の役員を兼ねている投資法人があります。

見張る役の監督役員が、運用会社から給料をもらっていては監督にならない。
解約は投資主総会の決議、相手方からの解約には同意が要ります
登録投資法人は、投資主総会の決議を経なければ、資産運用会社と締結した資産の運用に係る委託契約を解約できません(206条1項)。資産運用会社が職務上の義務に違反し、または職務を怠ったときなどは、役員会の決議で解約できます(206条2項)。逆に資産運用会社の側から解約するには、登録投資法人の同意が要り、執行役員がその同意を与えるには投資主総会の承認が要ります(205条)。運用を担う会社が代わることは投資主の利益に直結するので、どちらの側から手を引くときも、投資主の意思を確かめる作りになっています。資産運用会社が金融商品取引業者でなくなったときや解散したときは、投資法人は解約しなければなりません(207条1項)。

どちらの側から手を引くときも、投資主の意思を確かめる。
投資法人は、内閣総理大臣の登録を受けなければ、資産の運用として第百九十三条に規定する行為を行つてはならない。
出典: 投資信託及び投資法人に関する法律 187条
実務ではこう使う
登録投資法人が物件を取得するときの鑑定評価は、資産運用会社を通じて依頼され、投資法人の開示資料に鑑定評価額が載ります。利害関係人等との取引には登録投資法人の同意と役員会の承認が要るので(201条の2)、その手続の中で評価書が使われます。価格時点と評価の前提を明確に書き、依頼者との関係も記載します。
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