投資法人とは?投資信託及び投資法人に関する法律での意味を図でわかりやすく解説
資産を主として特定資産に対する投資として運用することを目的として、この法律に基づき設立された社団です。つまり、投資家からお金を集めて不動産や有価証券を持つためだけに作られた会社のような器で、上場しているものがJ-REITです。
投資法人とは
街のオフィスビルの多くは、その所有者が「○○投資法人」という名前になっています。投資法人は、多くの投資家から出資を集め、そのお金で不動産などを買って持ち、賃料や売却益を投資家に分配するためだけに作られた法人です(2条12項)。出資した人は投資主と呼ばれ、その地位が投資口で、株式会社の株主と株式に当たります(2条14項・16項)。ただ、この法人は使用人(従業員)を雇うことができず(63条2項)、何を買って何を売るかを決めるのは別会社の資産運用会社です。会社の形をした「不動産を持つための器」です。

投資法人は不動産を持つための器で、中に働く人はいない。
定義は「主として」特定資産で、全てではありません
投資法人は、資産を主として特定資産に対する投資として運用することを目的として設立された社団です(2条12項)。特定資産は、有価証券や不動産、不動産の賃借権や地上権など、投資を容易にすることが必要な資産として政令で列挙されたものです(2条1項、施行令3条)。「主として」なので、資産の大部分を特定資産に向けていればよく、登録投資法人は規約に定めた運用の対象と方針に従い、特定資産以外の資産の取得や譲渡もできます(193条2項)。条文に理由は書いていませんが、持てる資産を特定資産だけに縛ると、事業に付随して持つ細かな資産のために法人が動けなくなるためと考えられます。

大部分が特定資産なら「主として」。全部でなくてよい。
資産の運用以外を営業にできず、運用も資産運用会社に委託します
投資法人は、資産の運用以外の行為を営業としてすることができません(63条1項)。本店以外の営業所を設けることも、使用人を雇うこともできません(63条2項)。しかも運用そのものも自分では行わず、登録を受けた投資法人は資産運用会社にその資産の運用に係る業務を委託しなければなりません(198条1項)。運用を決めるのは資産運用会社、財産を預かるのは資産保管会社、それ以外の事務は一般事務受託者と、仕事を全部外に出した法人です(2条21項〜23項)。投資家のお金を入れる器を、運用の判断をする会社から切り離しておくことで、運用会社が倒れても器の中の資産は守られます。
登録を受けてから、不動産の取得・譲渡・貸借を行えます
投資法人は、内閣総理大臣の登録を受けなければ、資産の運用として193条に規定する取引を行えません(187条)。登録を受けた投資法人が登録投資法人です(2条13項)。登録投資法人は、規約に定める資産運用の対象と方針に従い、特定資産について、有価証券の取得・譲渡・貸借、不動産の取得・譲渡、不動産の貸借、不動産の管理の委託などの取引を行えます(193条1項)。買って売るだけでなく、貸して賃料を得ることも運用の中心です。ただし宅地の造成や建物の建築を自ら行うことに係る取引はできません(施行令116条)。
この法律において「投資法人」とは、資産を主として特定資産に対する投資として運用することを目的として、この法律に基づき設立された社団をいう。
出典: 投資信託及び投資法人に関する法律 2条12項
実務ではこう使う
J-REITが物件を取得するときの鑑定評価は、投資法人ではなく資産運用会社から依頼されます。評価額は投資法人の開示資料に載り、投資主が投資判断に使うので、価格時点と評価の前提を明確に書きます。依頼者との利害関係の有無も評価書に記載します。
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