発注者が直接負担すべき通常の付帯費用とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
再調達原価を求めるときに、標準的な建設費に加算する、発注者が請負代金とは別に自分で負担する通常の費用です。建物引渡しまでの通常の資金調達費用や標準的な開発リスク相当額等が含まれる場合があります。
発注者が直接負担すべき通常の付帯費用とは
家を建てるとき、工務店に払う代金だけでは家は手に入りません。設計事務所への設計監理料、建築確認や登記の手数料、工事の間に借りたお金の利息は、施主が自分で払います。基準は、こうした発注者側の費用を「発注者が直接負担すべき通常の付帯費用」と呼び、標準的な建設費に加算して再調達原価を求めると定めています。建物を使える状態で手に入れるまでに、市場でふつうかかる費用を全部数えるための項目です。

工務店に払う代金の外で、発注者が自分で払う費用をまとめて付帯費用。
資金調達費用も開発リスク相当額も、含まれる場合があります
基準は、通常の付帯費用には建物引渡しまでに発注者が負担する通常の資金調達費用や標準的な開発リスク相当額等が含まれる場合があることに留意せよ、と定めています。資金調達費用とは、建築費と発注者が負担すべき費用に相当する資金について、建物引渡しまでの期間に対応する調達費用、つまり工事中の利息にあたるものです。開発リスク相当額は、工事が終わってから建物の効用が十分に発揮されるまでの不確実性を、事業者が通常負担する危険負担率として金額にしたものです。二つは並んで挙げられており、片方だけを認める定めではありません。
自己資金でも自用でも、通常の場合を想定して計上します
再調達原価は、実際の発注者がどう建てたかではなく、建設請負の通常の場合を想定した標準的な原価です。自己資金で自社ビルを建てて利息を一円も払っていなくても、市場で標準的に見込まれる資金調達費用は含まれる場合があります。基準は建設請負の通常の場合を想定するとだけ定め、自分で使うために建てた建物を別扱いにしていません。自用の建物でも、標準的な事業者が負担する開発リスク相当額が含まれる場合があると読めます。「通常の」「標準的な」という語は、個々の発注者の懐事情を原価から切り離すための言葉です。

自己資金で利息を払っていなくても、標準的な資金調達費用を見る。
土地や借地権にも、建物を載せる前に付帯費用を加算します
建物及びその敷地の再調達原価は、土地の再調達原価又は借地権の価格に発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を加算した額を求め、これに建物の再調達原価を加算して求めます。土地の再調達原価そのものも、素地の取得原価と造成費に付帯費用を加算して求めます。付帯費用は建物だけに付くものではなく、土地を手に入れて建物を建てるまでの各段階で発注者が負担する費用です。借地権付建物で建物の開発期間中に地代を支払うなら、その期間の地代相当額も建物引渡しまでに発注者が負担する費用にあたるので、この付帯費用として考慮すると読めます。

借地上に建てる間の地代も、付帯費用として考慮する。
これらの場合における通常の付帯費用には、建物引渡しまでに発注者が負担する通常の資金調達費用や標準的な開発リスク相当額等が含まれる場合があることに留意する必要がある。
出典: 総論第7章 第1節
資金調達費用とは、建築費及び発注者が負担すべき費用に相当する資金について、建物引渡しまでの期間に対応する調達費用をいう。
出典: 総論第7章 第1節
実務ではこう使う
建物の再調達原価の内訳表では、本体工事費とは別に、設計監理料、建築確認や登記の費用、工事期間中の金利相当額、開発リスク相当額を付帯費用としてまとめます。デベロッパーが自己資金で建てた物件でも、市場で標準的に見込まれる金利や利益を計上するのが原則です。借地上の建物なら、工事期間中の地代も忘れずに拾います。
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