/ 鑑定理論

要因資料とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説

価格形成要因に照応する資料です。つまり、値段を動かす事情の一つひとつに対応する統計や地図、図面で、一般的要因に係る一般資料、地域要因に係る地域資料、個別的要因に係る個別資料に分かれます。

要因資料とは

同じ土地でも、金利が上がれば買い手が減り、近くに駅ができれば周りごと値上がりし、その土地だけ日当たりが悪ければ安くなります。こうした値段を動かす事情が価格形成要因で、それを裏づける統計や地図、図面が要因資料です。要因には日本全体・地域・その不動産という三つの層があるので、基準は資料も同じ三つの層に分け、一般的要因に係る一般資料、地域要因に係る地域資料、個別的要因に係る個別資料と呼びます。要因の層と資料の層が一対一で照応する、というのが要因資料の骨組みです。

要因資料の図解:要因の三つの層に、資料の三つの層がそのまま対応する。

要因の三つの層に、資料の三つの層がそのまま対応する。

一般資料と地域資料は平素から、個別資料は案件ごとに集めます

基準は、一般資料及び地域資料は平素からできるだけ広くかつ組織的に収集しておくべきだとし、個別資料は対象不動産の種類や対象確定条件など案件の相違に応じて適切に収集すべきだとしています。基準に理由は書かれていませんが、金利や人口の動き、担当地域の都市計画や地価の動向は、どの案件でも使ううえに日々変わるので、依頼が来てから集めたのでは間に合わないためと考えられます。これに対して、その土地の日影図や建物の劣化診断は、対象が決まって初めて何が要るか分かるので、案件ごとに集めます。

要因資料の図解:一般資料と地域資料は普段から棚に、個別資料は案件のファイルに。

一般資料と地域資料は普段から棚に、個別資料は案件のファイルに。

要因資料は、最有効使用を判定する分析の材料になります

価格形成要因の分析では、収集した資料に基づいて一般的要因を分析し、地域分析と個別分析を通じて対象不動産の最有効使用を判定します。要因資料はこの三つの分析に使う材料で、近隣地域の地域分析なら住宅地図、地形図、都市計画図などの地域資料を読みます。公的機関や不動産業者、金融機関、商工団体が公表する地域経済や不動産市場の動向も、幅広く集めるべき要因資料です。

公法上の規制の資料は、確認資料ではなく要因資料です

用途地域や建ぺい率が分かる都市計画図は、対象不動産そのものを照合する書類ではなく、その土地にどんな建物が建てられるかという価格に効く事情を示す資料です。基準は確認資料を物的確認と権利の態様の確認に必要な資料に限っているので、公法上の規制に照応する資料は要因資料の側に入ると読めます。法務局で取る登記事項証明書は確認資料、市役所で取る都市計画図は要因資料と、行き先が分かれます。

要因資料の図解:登記事項証明書は確認資料へ、都市計画図は要因資料へ。

登記事項証明書は確認資料へ、都市計画図は要因資料へ。

要因資料とは、価格形成要因に照応する資料をいう。要因資料は、一般的要因に係る一般資料、地域要因に係る地域資料及び個別的要因に係る個別資料に分けられる。

出典: 総論第8章 第5節

実務ではこう使う

事務所では、地価公示や人口統計、金利といった一般資料と、担当エリアの都市計画図・住宅地図・地価動向といった地域資料を日頃から更新して棚に揃えておきます。案件が来たら、その物件の日影図やエンジニアリング・レポート、賃貸借の条件などの個別資料を集めます。評価書の価格形成要因の欄は、この三層の資料を根拠に書きます。

関連用語

#不動産鑑定士試験 #要因資料 #鑑定理論

アプリで学習

基準ビューワー × 穴埋めドリルで効率的に学ぶ

鑑定評価基準の原文をスマホで閲覧しながら、穴埋めドリルや論証トレーニングで知識を定着。 短答式・論文式どちらの対策にも対応しています。

年額プランなら1日わずか27円

基準ビューワーを見る 無料でアカウント作成
App Storeからダウンロード Google Playで手に入れよう
穴埋めドリル画面
用語集に戻る