設計住宅性能評価書とは?住宅の品質確保の促進等に関する法律での意味を図でわかりやすく解説
設計された住宅について、登録住宅性能評価機関が評価方法基準に従って評価し、交付する住宅性能評価書です(5条1項・6条1項)。つまり図面の段階で「この設計ならこの等級」と第三者が証明した成績表で、請負契約書や完了前の売買契約書に添付・交付すると、表示された性能が契約の内容になります。
設計住宅性能評価書とは
家を建てる前、まだ図面しかない段階でも、その設計どおりに建てば耐震等級はいくつか、断熱の等級はいくつかは計算できます。それを売る側でも建てる側でもない第三者の機関が確かめて発行する成績表が、設計住宅性能評価書です。この成績表を契約書に添えると、書かれた等級が契約の約束になります。完成後に実物を検査して交付する建設住宅性能評価書と対になり、二枚そろって住宅性能表示制度の中心になります。

図面の段階の成績表を出せるのは、売る側でも建てる側でもない登録機関だけ。
交付できるのは登録住宅性能評価機関だけです
5条1項は、国土交通大臣の登録を受けた登録住宅性能評価機関は、申請により、設計された住宅または建設された住宅について評価方法基準に従って評価を行い、標章を付した住宅性能評価書を交付することができると定めています。6条1項が、設計された住宅に係る住宅性能評価書を設計住宅性能評価書と呼びます。建設工事の請負人や売主が自分で評価して評価書を出すことはできず、登録機関の登録基準には住宅関連事業者に支配されていないことが含まれます(9条1項2号)。作る側と採点する側を分けることで、成績表を信じられるものにしているのです。
契約書に添えると、表示された性能が契約の内容になります
6条1項は、住宅の建設工事の請負人が設計住宅性能評価書またはその写しを請負契約書に添付し、または注文者に交付した場合には、表示された性能を有する住宅の建設工事を行うことを契約したものとみなすと定めています。6条2項は、新築住宅の建設工事の完了前に売買契約を締結した売主が同じことをした場合に、表示された性能を有する新築住宅を引き渡すことを契約したものとみなします。評価書に書いた等級が契約の内容になるので、建った家がその性能を欠けば契約違反を問えます。完了後の売買契約では建設住宅性能評価書が同じ役目を果たします(6条3項)。

請負契約と完了前の売買契約に添えると、成績表の等級が約束になる。
契約書で反対の意思を表示していれば、みなし規定は働きません
6条4項は、これらの規定は、請負人または売主が請負契約書または売買契約書において反対の意思を表示しているときは適用しないと定めています。評価書を渡しても、契約書の中に「この評価書の性能を契約内容とはしない」と書いてあれば、みなしは働きません。評価書はあくまで性能の証明で、それを約束に変えるかどうかは契約の当事者に委ねているためです。反対の意思は口頭ではなく、契約書の中で表示する必要があります。

契約書に反対の意思を書いておけば、成績表は約束にならない。
設計評価書だけの住宅は紛争処理の対象になりません
67条1項は、指定住宅紛争処理機関があっせん、調停、仲裁を行う対象を、建設住宅性能評価書が交付された住宅(評価住宅)の請負契約または売買契約に関する紛争としています。設計段階の評価書だけでは、実際に建った家の性能が確かめられていないので、紛争処理の窓口は開きません。建設住宅性能評価書が交付されてはじめて、評価住宅としての扱いを受けます。
住宅の建設工事の請負人は、設計された住宅に係る住宅性能評価書(以下「設計住宅性能評価書」という。)若しくはその写しを請負契約書に添付し、又は注文者に対し設計住宅性能評価書若しくはその写しを交付した場合においては、当該設計住宅性能評価書又はその写しに表示された性能を有する住宅の建設工事を行うことを契約したものとみなす。
出典: 住宅の品質確保の促進等に関する法律 6条1項
実務ではこう使う
分譲マンションの青田売りでは、設計住宅性能評価書がパンフレットや契約書に添付され、耐震等級などが契約内容になります。鑑定評価では、設計評価書の等級を建物の品質の根拠として引用しつつ、完成後に建設評価書まで取得しているかを確かめます。設計と建設の両方の評価書がそろった住宅は、紛争処理の対象になる点でも買主の安心が高く、市場での評価に反映されます。
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