確認事項の記録とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
処理計画の策定に当たっての確認を行った場合に作成し、鑑定評価報告書の附属資料として添付する記録です。つまり、いつ・誰が・誰に・何を確認し、それを処理計画にどう反映したかを後から追えるようにした議事録です。
確認事項の記録とは
会社の会議では、日付・出席者・決めたこと・宿題を議事録に残し、後で「言った、言わない」にならないようにします。証券化対象不動産の鑑定評価では、処理計画を策定する前の依頼者への確認そのものが評価の一部なので、基準はその議事録に当たる記録を求めています。記録する事項は、確認を行った年月日、確認を行った不動産鑑定士の氏名、確認の相手方の氏名及び職業、確認の内容及び処理計画への反映状況、確認の内容が変わって作業や内容を変更するときはその内容、の五つです。作成した記録は、鑑定評価報告書の附属資料として添付します。

いつ・誰が・誰に・何を確認し、計画にどう反映したかを一枚に残す。
添付するのは鑑定評価報告書で、鑑定評価書ではありません
鑑定評価報告書は、不動産鑑定士が判断と意見を示して自分の責任を明らかにする文書で、鑑定評価書は、不動産鑑定業者がその内容を依頼者に交付する文書です。基準が記録の添付先にしているのは前者の附属資料です。留意事項は、鑑定評価書への添付までを求めるものではないとし、代わりに、不動産の鑑定評価に関する法律施行規則第38条第2項に定める資料として保管しなければならないとしています。基準に理由は書かれていませんが、記録は評価の作業の裏付けであって依頼者に渡す成果物ではない、と読めます。

記録は報告書に付けて業者で保管する。依頼者に渡す鑑定評価書に付けるとは定めていない。
依頼者と資料をめぐって交渉した経緯も、記録に残します
確認の場面で、鑑定評価を適切に行うための資料の提出等について依頼者と交渉を行った場合には、その経緯を確認事項として記録しなければなりません(留意事項)。エンジニアリング・レポートの全部の提供を求めたのに一部しか出なかった、というやり取りが残れば、評価に使えた資料の限界が報告書の読み手に伝わります。交渉の結果だけでなく経緯を残すのは、そのためです。
資料の入手や実地調査が複数回なら、段階ごとに記録します
エンジニアリング・レポートやDCF法に要る資料の入手が複数回に分かれる場合や、対象不動産の実地調査が複数回行われる場合には、各段階ごとの確認及び記録が必要です(留意事項)。最初の一回だけ記録して終わりではなく、途中経過も記録します。資料と実地調査のどちらか一方だけが対象、という区別はありません。

資料も現地も一度で終わらないなら、段階ごとに記録を積む。
第3節Ⅰ(1)から(6)までの事項の確認を行った場合には、それぞれ次の事項に関する記録を作成し、及び鑑定評価報告書の附属資料として添付しなければならない。
出典: 各論第3章 第3節
実務ではこう使う
依頼者との打合せのたびに、日付、出席した鑑定士、相手方の氏名と所属・役職、確認した内容と処理計画への反映を一枚の記録票に書き足していきます。レポートの追加提出を交渉した経緯や、二回目の現地調査もその都度追記します。記録は報告書の附属資料に綴じ、業者の保存資料として保管しますが、依頼者に交付する鑑定評価書への添付までは求められていません。
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