/ 鑑定理論

実地調査とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説

対象不動産の確認と資料の収集及び整理のために、聴聞や公的資料の確認と並んで用いる手段で、対象不動産の所在地に出向いて現況を確かめる調査です。つまり、原則として建物の内覧まで含めて自分の目で見ることで、行った内容は鑑定評価報告書に記載します。

実地調査とは

地図と写真だけで家を買う人はまずいません。実際に行ってみると、写真では分からない道路の狭さ、日当たり、雨漏りの跡が見つかります。基準は、対象不動産の確認も資料の収集も、実地調査・聴聞・公的資料の確認等により的確に行うものとし、留意事項は対象不動産の確認に当たって原則として内覧の実施を含めた実地調査を行うよう定めています。行った日、行った鑑定士、立ち会った人、見た範囲は、後から確かめられるように報告書に残します。

実地調査の図解:地図と写真では分からないことを、現地に行って確かめる。

地図と写真では分からないことを、現地に行って確かめる。

原則として内覧を含めて行います

留意事項は、対象不動産の確認に当たっては原則として内覧の実施を含めた実地調査を行うものとしています。外観だけでは、内部の構造や設備、傷み、使われ方が分からないからです。内覧をするかどうかを含む実地調査の範囲は、処理計画の策定に当たって依頼者に確認します。同一の不動産の再評価で、過去に自ら内覧を含む実地調査を行い、かつ個別的要因に重要な変化がないと客観的に認められるときだけ、内覧の全部又は一部を省略できます。

年月日・鑑定士の氏名・立会人・範囲を報告書に記載します

総論第9章第2節は、後日対象不動産の現況把握に疑義が生ずる場合があることを考慮して、五つの事項を報告書に記載するよう定めています。実地調査を行った年月日、実地調査を行った不動産鑑定士の氏名、立会人の氏名及び職業、実地調査を行った範囲(内覧の実施の有無を含みます)、一部を実施することができなかった場合はその理由です。「実地調査を行った不動産鑑定士の氏名」なので、複数の鑑定士で行ったなら全員の氏名を書くことになり、立会人は氏名だけでなく職業まで書きます。誰が、いつ、誰と、どこまで見たかが分かって初めて、後から現況を確かめ直せます。

実地調査の図解:工事の写真の黒板のように、いつ・誰が・誰と・どこまで見たかを残す。

工事の写真の黒板のように、いつ・誰が・誰と・どこまで見たかを残す。

一部を実施できなかったときは、その理由まで記載します

入居者の都合で入れない住戸があった、感染症対策で立ち入れない区画があった、という場合は、実施できなかった旨だけでなく、その理由を報告書に記載します。基準は理由まで求めるわけを書いていませんが、読む人がその部分の確認がどこまで及んだかを判断できるようにするためと考えられます。理由が書かれていなければ、見なかったのか、見られなかったのかの区別がつきません。

実地調査の図解:入れなかった部屋は、入れなかった理由まで書く。

入れなかった部屋は、入れなかった理由まで書く。

証券化対象不動産では、立会いの下で行い、回ごとに記録します

証券化対象不動産の鑑定評価では、各論第3章が、依頼者(依頼者が指定した者を含みます)の立会いの下で内覧の実施を含めた実地調査を行い、対象不動産の管理者からの聴聞等により権利関係や増改築等の履歴などを確認するよう定めています。報告書の記載事項にも、立会人及び対象不動産の管理者の氏名及び職業が入ります。実地調査が複数回行われるときは、各段階ごとの確認及び記録が必要です。

対象不動産の確認に当たっては、原則として内覧の実施を含めた実地調査を行うものとする。

出典: 総論第8章 第4節

実務ではこう使う

現地では境界標、接道、建物の外観と内部、設備、周辺の環境を確認し、写真と調査メモを残します。管理会社の担当者に立ち会ってもらったなら、評価書には「令和〇年〇月〇日、立会人〇〇(管理会社社員)」と氏名と職業を書きます。入居中で内覧できなかった住戸があれば、その室番号と理由を記載します。

関連用語

#不動産鑑定士試験 #実地調査 #鑑定理論

アプリで学習

基準ビューワー × 穴埋めドリルで効率的に学ぶ

鑑定評価基準の原文をスマホで閲覧しながら、穴埋めドリルや論証トレーニングで知識を定着。 短答式・論文式どちらの対策にも対応しています。

年額プランなら1日わずか27円

基準ビューワーを見る 無料でアカウント作成
App Storeからダウンロード Google Playで手に入れよう
穴埋めドリル画面
用語集に戻る