/ 鑑定理論

処理計画とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説

確定した鑑定評価の基本的事項に基づき、実施すべき作業の性質及び量、処理能力等に即応して秩序的に策定する、鑑定評価の作業の計画です。つまり、対象不動産の確認から鑑定評価額の決定までを、いつ・何を・どこまでやるか最初に組み立てた段取りです。

処理計画とは

引っ越しの前に、荷造り・業者の手配・役所の手続を日付入りで一枚に書き出しておくと、抜けや手戻りが減ります。鑑定評価も同じで、対象不動産の確認、資料の収集及び整理、資料の検討及び価格形成要因の分析、鑑定評価の手法の適用、試算価格の調整、鑑定評価額の決定という作業を、案件の重さと自分の手持ちの人手や時間に合わせて先に組み立てます。基準はこれを処理計画と呼び、第1節で確定した基本的事項に基づいて秩序的に策定するよう定めています。留意事項は、その際に依頼者へ実地調査の範囲などを確認し、確認した事項を計画に反映するよう求めています。

処理計画の図解:確定した基本的事項をもとに、作業の性質・量と自分の処理能力に合わせて工程を組む。

確定した基本的事項をもとに、作業の性質・量と自分の処理能力に合わせて工程を組む。

作業の性質と量、処理能力に即応して立てます

基準は、実施すべき作業の「性質及び量」と「処理能力等」に即応して策定すると書いています。大型の商業ビルと一戸建てでは集める資料も手法も違い、事務所の人手や時間、専門の能力を無視した計画は最初から守れません。だから、案件の中身と自分の側の力の両方を見て組みます。計画に入れる作業は、対象不動産の確認、資料の収集及び整理、資料の検討及び価格形成要因の分析、鑑定評価の手法の適用、試算価格又は試算賃料の調整、鑑定評価額の決定等です。

実地調査の範囲と専門家の活用の要否を依頼者に確認します

留意事項は、処理計画の策定に当たって、第1節と第2節の事項のほかに、依頼者へ三つを明瞭に確認するよう求めています。対象不動産の実地調査の範囲(内覧をするかどうかを含みます)、他の専門家による調査結果等の活用の要否、その他処理計画の策定のために必要な事項です。留意事項は理由を書いていませんが、内覧は依頼者や入居者の協力がなければできず、専門家の調査は費用と期間がかかるので、依頼者に聞かないと計画に組み込めないためと考えられます。確認した事項は処理計画に反映します。

処理計画の図解:内覧の可否と専門家の調査の要否は、依頼者に聞かないと計画に組めない。

内覧の可否と専門家の調査の要否は、依頼者に聞かないと計画に組めない。

確認した事項に変更があれば、計画も変更します

留意事項は、確認された事項に変更があった場合は処理計画を変更するものとしています。内覧できるはずだった部屋に入れなくなった、土壌の専門家の調査が追加で必要になった、という変化があれば、日程も作業も組み直します。計画は一度作れば終わりではなく、前提が変わればそのつど書き直すものです。

処理計画の図解:内覧の予定が変わったと連絡が来たら、工程表を貼り替える。

内覧の予定が変わったと連絡が来たら、工程表を貼り替える。

処理計画の策定に当たっては、第1節により確定された鑑定評価の基本的事項に基づき、実施すべき作業の性質及び量、処理能力等に即応して、対象不動産の確認、資料の収集及び整理、資料の検討及び価格形成要因の分析、鑑定評価の手法の適用、試算価格又は試算賃料の調整、鑑定評価額の決定等鑑定評価の作業に係る処理計画を秩序的に策定しなければならない。

出典: 総論第8章 第3節

実務ではこう使う

受任したら、現地調査の日程、登記や図面の取り寄せ、賃貸借契約書の入手、土壌汚染調査の要否、適用する手法と必要な事例の当たりを一枚の工程表にします。依頼者には内覧の可否と立会いを確認し、専門家の調査を使うなら費用と期間を合意してから計画に入れます。途中で前提が変わったら工程表を書き換え、納期も見直します。

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