内覧とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
対象不動産の確認に当たって原則として実施する実地調査のうち、建物の内部に立ち入って確かめる調査です。つまり、外から眺めるだけでなく中まで入って、図面や登記の内容と実物が合っているかを自分の目で確かめます。
内覧とは
中古の家を買う人は、外から眺めるだけでは決めず、中に上がって間取りや傷み具合を見ます。鑑定士も同じで、対象不動産の確認では、原則として建物の中に入って確かめる内覧を含めた実地調査を行います。登記や図面と実物が食い違っていないか、設備が古びていないか、誰がどう使っているかは、中に入らないと分かりません。ただし、前に自分で内覧した同じ物件を評価し直すときは、条件がそろえば内覧を省略できます。

家を買う人の内見と同じで、中に入って図面と実物を照らし合わせる。
省略できるのは、同じ物件の再評価で二つの要件がそろうときです
留意事項が内覧の省略を認めるのは、同一の不動産の再評価を行う場合だけです。そのうえで、過去に自ら内覧の実施を含めた実地調査を行ったことがあり、かつ、その不動産の個別的要因について直近の鑑定評価の価格時点と比べて重要な変化がないと客観的に認められる、という二つの要件が「かつ」でつながっています。留意事項に理由は書かれていませんが、前回中を見た本人が、修繕も用途変更もないと管理報告書などで客観的に確かめられるなら、もう一度中に入らなくても実物を把握できている、と考えられます。要件がそろえば、一部だけでなく全部の省略もできます。

前回自分で内覧し、その後に重要な変化がないと確かめられるときだけ省略できる。
「自ら」は、その不動産鑑定士本人が調査したことを指します
留意事項は「過去に自ら内覧の実施を含めた実地調査を行ったことがあり」とだけ定めています。これは、今回の評価に関与する不動産鑑定士本人が、過去にその不動産の内覧を含めた実地調査を行ったこと、と読めます。同じ不動産鑑定業者に勤める別の鑑定士が前回中を見ていても、今回の担当者が見ていなければ要件を満たしません。内覧で得た実物の記憶は、業者ではなく鑑定士個人にあるためと考えられます。

前回中を見たのが別の鑑定士なら、今回の担当者は省略できない。
省略したら、変化がないと判断した根拠を報告書に書きます
内覧を省略して評価した場合、鑑定評価報告書には、個別的要因に重要な変化がないと判断した根拠を記載します。実地調査を行った範囲の記載にも、内覧の実施の有無を含めます。基準は、後日対象不動産の現況把握に疑義が生ずる場合があることを考慮して実地調査の範囲などを書かせており、中を見ずに出した評価なら、なぜ見なくてよいと判断したかまで読み手が確かめられるようにする定めです。内覧を行うかどうかは、処理計画の策定に当たって依頼者に確認する事項でもあります。
なお、同一の不動産の再評価を行う場合において、過去に自ら内覧の実施を含めた実地調査を行ったことがあり、かつ、当該不動産の個別的要因について、直近に行った鑑定評価の価格時点と比較して重要な変化がないと客観的に認められる場合は、内覧の全部又は一部の実施について省略することができる。
出典: 総論第8章 第4節
同一の不動産の再評価を行う場合において内覧の全部又は一部の実施を省略した場合には、当該不動産の個別的要因に重要な変化がないと判断した根拠について記載する。
出典: 総論第9章 第2節
実務ではこう使う
賃貸マンション一棟の評価では、管理会社の立会いのもとで空室と代表的な住戸を内覧し、入居中で入れなかった住戸は室番号と理由を評価書に書きます。前年に自分が評価した物件の再評価なら、管理報告書で修繕や用途変更がないことを確かめたうえで内覧を一部省略し、その根拠を記載します。担当者が代わった年は省略できないので、内覧の日程を確保します。
関連用語
アプリで学習
基準ビューワー × 穴埋めドリルで効率的に学ぶ
鑑定評価基準の原文をスマホで閲覧しながら、穴埋めドリルや論証トレーニングで知識を定着。 短答式・論文式どちらの対策にも対応しています。
年額プランなら1日わずか27円