/ 鑑定理論

関与不動産鑑定士とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説

当該鑑定評価に関与するすべての不動産鑑定士です。つまり、評価書に署名する担当者だけでなく、手伝った同僚も、業務を再委託した先で関与した不動産鑑定士も、全員が含まれます。

関与不動産鑑定士とは

一つの評価書ができるまでには、何人もの不動産鑑定士が関わります。依頼を受けて署名する担当者、資料を集めて計算を手伝う同僚、遠方の物件で現地調査だけを別の事務所に頼んだときのその先の鑑定士。基準は、この全員を関与不動産鑑定士と呼びます。誰が関わったかを漏れなく数えるのは、その一人ひとりについて、対象不動産や依頼者との利害関係を明らかにするためです。

関与不動産鑑定士の図解:署名する人も手伝った人も再委託先の人も、評価に関わった鑑定士は全員。

署名する人も手伝った人も再委託先の人も、評価に関わった鑑定士は全員。

関与不動産鑑定士は、再委託先で関与した鑑定士も含みます

留意事項は、関与不動産鑑定士とは当該不動産の鑑定評価に関与した不動産鑑定士の全員をいい、業務の全部又は一部を再委託した場合の再委託先の不動産鑑定業者において関与した不動産鑑定士を含むとしています。再委託先は別の会社ですが、その人の調査や判断が評価書に入り込む点は同じです。だから、自分の事務所の中だけで線を引くことはできず、外の事務所で関与した人まで数えます。

利害関係と縁故は、並べて有無と内容を明らかにします

関与不動産鑑定士と関与不動産鑑定業者について明らかにするのは、対象不動産に関する利害関係と、対象不動産に関し利害関係を有する者との縁故や特別の利害関係、それぞれの有無と内容です。自分は対象不動産と何の関係もなくても、所有者が自分の叔父なら、それは「利害関係を有する者との縁故」にあたります。利害関係と縁故は「又は」で並ぶ別々の確認事項なので、一つが無いからといって他を省くことはできません。関与の度合いにかかわらず、全員について確かめます。

関与不動産鑑定士の図解:自分に利害関係がなくても、所有者との縁故は別の欄で確かめる。

自分に利害関係がなくても、所有者との縁故は別の欄で確かめる。

利害関係があっても、一律に謝絶する定めではありません

第8章の確認は、利害関係等の「有無及びその内容を明らかにする」手順です。あれば必ず断る、とは書いていません。縁故や特別の利害関係があって公平な鑑定評価を害するおそれのあるときは原則として引き受けない、という引受けの制限は第1章に別にありますが、それはおそれの有無で判断するものです。利害関係を明らかにしたうえで公平に行える案件まで、この確認によって一律に断るわけではありません。

関与不動産鑑定士の図解:利害関係があれば断るのではなく、有無と内容を明らかにしたうえで別に判断する。

利害関係があれば断るのではなく、有無と内容を明らかにしたうえで別に判断する。

関与不動産鑑定士(当該鑑定評価に関与するすべての不動産鑑定士をいう。以下同じ。)及び関与不動産鑑定業者(関与不動産鑑定士の所属する不動産鑑定業者をいう。以下同じ。)について、対象不動産に関する利害関係又は対象不動産に関し利害関係を有する者との縁故若しくは特別の利害関係の有無及びその内容を明らかにしなければならない。

出典: 総論第8章 第2節

実務ではこう使う

評価書の末尾には関与不動産鑑定士全員の氏名を並べ、それぞれについて対象不動産や依頼者との利害関係の有無を記載します。地方の物件で現地調査を他の事務所に再委託したときは、その先で関与した不動産鑑定士も名前を挙げます。依頼者の役員と親族関係があるような場合は、その内容を書いたうえで、引き受けるかどうかを別に判断します。

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